2016年5月27日(金)

「おいしくなる神話」に迫る! 検証、おいしいカレーのつくり方

dancyu 2014年7月号

文・松浦達也 撮影・牧田健太郎

[論争1]ほうろう鍋・圧力鍋でつくったら?

圧力鍋は具に味が入らない

「ほうろう鍋の煮込みは旨い」

この神話の真偽を検証するために、煮込み料理が得意とされるほうろう鍋、一般的なステンレス鍋、時間短縮の定番、圧力鍋でカレーをつくってみた。

15分煮込んだ結果は、ほうろう鍋とステンレス鍋の引き分け。ほうろう鍋で肉、野菜は柔らかくなったが、ステンレス鍋と劇的な差はなかった。

驚いたのは、圧力鍋でつくったカレー。目隠しして食べたら、カレーだとわからない人がいたほど! ちなみにルウを投入後、圧力はかけていない。溶けた野菜の味がスパイスの味や香りを消してしまったということか。部員から、「もう一生、圧力鍋でカレーはつくらない!」という声も上がった。

【ほうろう鍋】○野菜がホロホロ
【ステンレス鍋】○フツーにおいしい

【圧力鍋】×カレーの味がしない

[論争2]一度にたくさんつくったら?

▼文句なしの旨さ

「一度にたくさんつくると旨い」。すべての煮込み料理に通底する神話だ。そこで4倍量でつくった。「何も足していないのに旨い」との声が。量が多ければ温度の上下が穏やかに。結果、具材にゆっくり火が通り、より柔らかに、スパイスの香りもとびにくくなる。

[論争3]一晩ねかせたら?

▼まるくなった!

何はともあれ、カレーを一晩ねかせてみた。初日には尖ったようにも感じられた香りや味が、穏やかに渾然となり、じゃがいものざらりとしたとろみが口の中に残る。カレー部員からは「まろやかになり、全体の一体感が増した」と称賛の声。もっとも一部に「スパイシーだった、出来たてのほうが……」という意見も。まるくなるのがいいばかりではないのは、人間もカレーも同じよう。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

松浦 達也