スポンサーへのダメージは
それにしても、旧エンブレムの撤回では約1億円の関連経費が無駄になったといわれ、今回の新エンブレムの商標調査などには8000万円以上の経費がかかる見通しとなっているそうだ。この莫大な出費、労力、時間は何だったのだろう。
とくにダメージを受けたのは、エンブレムを独占的に宣伝活動に使う東京五輪・パラリンピックのスポンサーたちだったであろう。あるスポンサーは「もっと早く決めてほしかった」とぼやいた。
武藤事務総長は会見で「確かに(エンブレム使用に)ブランクが生じたということについては、国民のみなさま、それからスポンサーのみなさまに大変申し訳ないと思っております」と言った。
会見終了後、しつこく、「スポンサーへのダメージ」について聞くと、こう答えた。
「もちろん、(スポンサーの)みなさん全員にご説明して、了解いただいております」
いろんな意味で五輪の歴史において異例のエンブレム選考となった。もっとも一番大事なことは、この新エンブレムが今後50年、100年と、人々に愛されていくものになるのかどうかである。
そのためにはまず、新エンブレムがいろんなところでたくさん使われていくこと、日本が東京五輪パラや新エンブレムを通し、世界に何を発信していくのかがポイントとなる。