三菱グループという自負

総合電機メーカーと呼ばれる会社は国内に数社しかない。彼らの社会インフラを支える技術は時に国力を測るモノサシにもなるため、責務は重い。加えて、三菱電機を根本から支えているのは、三菱グループであるという自負だ。三菱の三綱領の一つである「所期奉公」は社会のためにベストを尽くすことを意味する。

「やはり三菱電機というのは、もともと三菱電機が持っている技術で、この国のインフラを構築する、そこに貢献し、事業としていくというのがベースにあると思っています」

そう語るのは宇宙システム事業部長の蒲地安則氏だ。この宇宙分野は安全保障や国際政治にも絡むために動きが派手な側面もあるが、衛星事業は、実用衛星の国内市場が海外に開放されているため、採算を取るのが厳しい。

宇宙システム事業部長 蒲地安則氏

現在、この分野の国内メーカーは三菱電機とNECの2社しかない。規模で見れば、三菱電機が宇宙関係事業では約1000億円を稼ぎ出すトップの位置づけにあり、宇宙分野で最先端の研究を進めている。

衛星事業の評価は、品質、価格、納期が問われる。その中で今、三菱電機が先行する欧米に追いついたのは、まだ品質の部分のみ。しかもアジアで今、日本以上に存在感を増しているのが、軍事力を高めている中国だ。

「彼らのやり方というのは、一企業としてやるというよりは、国の戦略とリンクしているので、土俵が違います。例えば、ブラジルとは資源と交換し売り込んでいる。そうなると一企業として戦うというレベルの相手ではなくて、国としてどうするかというところになってくるのです」

世界で今、高性能な気象衛星を持っているのは、アメリカ、ヨーロッパ、日本の3つ。気象衛星「ひまわり」画像はアジア各国に無償でサービス配信している。それも国の施策に基づく。

「日本は狭い国ですから、放送、通信など衛星を使って広範囲にインフラを構築する必要もない。しかし、アジアやアフリカなど国土が広いところでは、地上インフラをつくるのに、かなり時間もかかります。衛星を使う必要がある事業は、今後かなり出てくるはずです。この事業は長い目で見て続けていかなければならないのです」