「仕事vs生活」ではなく「仕事=生活」

仕事は、生活費を稼ぎ、家族を守る手段でもあります。仕事が楽しかろうが、苦しかろうが、仕事をしなければ社会生活がおくれないわけですから、後ろ向きの気持ちで働くのはもったいない、と私は感じるのです。せっかく働いているのなら「今日は何か出会いや発見があるのではないか」「新たな分野に挑戦してみよう」と前向きに取り組んだほうが何倍も有意義な時間を過ごせるはずです。

仕事に誇りを持って真正面から向き合って取り組むことが、日々の生活を楽しむことに直結すると私は信じています。そのためには仕事とは、自分を人間として成長させてくれる最高の教材だ、と前向きにとらえてみてはどうでしょうか。または、仕事は生活の一部なのだ、と考えてもいいと思います。

日本の場合、ほかの国に比べるとチームワークを大事にすることが仕事時間が長くなる一因となっているのですから、なおさら前向きにとらえることに意義があると思います。やらされていると思うか、意欲的に取り組むかで成長の度合いは大きく変わります。そのように仕事を位置づけることができれば、日曜日の夜は苦痛ではなく「明日からまたがんばろう」と月曜日が楽しくなるはずです。

つまり「仕事vs生活」ではなく「仕事=生活」と考えることです。

そのような価値観をベースにして日本人独特の勤勉さで仕事に取り組むことができれば、成果や評価はおのずと上がり、仕事に対する充実感も増していくはずです。これこそ日本人らしい働き方ではないでしょうか。何よりも、このような働き方がグローバル環境で競争の荒波にもまれる時、日本人の大きな強みになるはずだと私は信じています。

もちろん仕事に家族の理解と協力は不可欠です。そのためには、家族を大切に思って、常に感謝の気持ちを持たなければならないのは当然のことです。