昇格大会で優勝!

強くなった。いや、うまくなった。10日に閉幕した7人制ラグビーの香港セブンズ・ワールドシリーズ(WS)コアチーム昇格大会で優勝した男子日本代表のことである。もちろん世界のトップクラスとの差はまだまだ大きいけれど、チームには、ハードワークを続けてもっと成長すれば、「五輪メダルもイケる」との感触をつかんだようだ。

「予定通りですね」と、前主将の坂井克行(豊田自動織機)は安ど感を漂わせた。2年ぶりのWSコアチーム復帰である。坂井は2年前といまの代表の違いをこう、説明した。

「(WSの試合で)勝負のアヤを世界基準で学べました。やはり経験値は大きい。2年前は“勢い”でやっている部分がありましたが、いまは勢いに経験、かしこさが加わっています。試合中、絶対、慌てません」

とくにディフェンスである。早くセットして前に出る時は思い切り上がる。またタックラーは必ず、相手の下にいって、すぐに立ちあがってファイトする。2人目もはやくポイントに入る。その際の選手間のコミュニケーション、個々の判断が向上している。

これも昨年からほとんど同じメンバーで合宿を重ねてきたからだろう。昨年11月はリオ五輪出場権を獲得し、今年3月のWSの米国大会では6位と健闘した。「準備」と「経験」。個々のフィジカルもスキルもスピードもアップし、チームの連携も強化されつつある。日本代表の瀬川智広ヘッドコーチ(HC)はチームの成長をこう、評した。

「昨年は世界(の強豪)と戦うのはちょっと準備不足かなと思っていましたけど、いまは“力試しをしたい”と選手たちの意識が変わってきています」