“超生産的”になるために

最初は、とにかくシンプルで少しの瞑想で効果が得られるという。これによってさまざまな衝動を抑えられるようになり、その結果“超生産的”になれるそうだ。だから、ほんの少しの瞑想の時間を惜しんではいけない。やり方は次のように簡単だ。

1.まずは座って背筋を伸ばしたら、楽に呼吸をする。床に座っても、椅子に腰かけても大丈夫。
2.タイマーを好きな時間にセット。ここでは10分としてみる。
3.タイマーをスタートしたら、目を閉じてリラックス。そして、呼吸にだけ意識を向けてほかの動作をやめる。何かしら考え始めたり、何かをしたい衝動が浮かんだりしても、呼吸に意識を戻すようにする。

たったこれだけの瞑想によって衝動を抑える力が培われ、これにより人間関係が改善し、信頼性が高まり、パフォーマンスが向上する。そこから適切で思慮深い意思決定が行えるようになるという。自分の話の内容や話し方について意識的になれることで、この行動がどんな結果につながるかを前もって考えられるようになるからだ。

私たちは、日常の中でさまざまな不安を抱えている。たとえばすべてがうまくいっているときですら、何かしら不安なことを思いうかべて、「そういえばあれが心配だ」と考えはじめる。するとその考えに執着して、不安を感じるようになる。不安が何かに気づくまでは、不安を感じることに不安を感じてしまう。こうした負のサイクルから抜け出るため、心の観察方法を学ぶことが効果的だとアンディは語る。

混沌とした状態の中で小さなひとつのことを考えすぎた結果 心の周りをぐるぐると巡り回っているのかもしれない。瞑想によって落ち着いて心を観察すると、自分の状態が見え、常にゆとりのない心に気づけるものだ。

「私たちには物事1つひとつを変えることはできないが、瞑想によって得られる経験は変えられる」とアンディは語る。必要なのは、1日10分間一歩身を引いて、今この瞬間と自分の思考を理解すること。リラックスしたまま集中した心で自分の心を観察してみること。これだけで、随分と思考の邪魔はなくなり、“超生産的”になれるものだ。

[脚注・参考資料]
Andy Puddicombe, All it takes is 10 mindful minutes, TED January 2013
Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density
Alan Henry, How Meditating for Eight Weeks Can Boost Your Brain, Lifehacker,

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