社内の「挨拶回り」や「飲みニケーション」に積極的に連れ歩く

「管理職に興味がない」。そういう部下がいたら、活躍する先輩社員と飲みに連れていき、他部署で活躍する管理職を紹介する。それは、男女の部下に対して同じようにできているだろうか?

あいおいニッセイ同和損保の日出正枝氏(左)は、管理職1年目。メンター長崎伸郎執行役員の言葉には気づきが多いと話す。

女性の新任ライン長全員にメンターを配置しているのが、あいおいニッセイ同和損保だ。メンター役は役員など幹部。11年度からスタートし、今年4月にはこの制度を経験した女性の執行役員や営業支店長も誕生した。目的は女性管理職への成長機会の提供と経営に対する意識向上だが、「メンター役の役員にも、女性活躍への理解が深まった」と吉田美和ダイバーシティ推進室長。

12年度のメンティだった矢澤正美千葉北支店柏第二支社長は「当時は営業の現場。2回目の面談のときに、『次回までに目標を決めて』と宿題を出され、考える機会に。経営会議の資料を見せてもらったり、社内の重要人脈に紹介してもらったりとすごく新鮮でした。男性は当たり前にそうして育ててもらったかもしれないけど、女性にはいままでなかった機会。当時言われた『いつも目標を持って仕事をすること』『人脈を大事にすること』の2つはいまでも心がけています」と語る。

14年度のメンティの一人である日出正枝中部債権管理センター所長は「最初は手と足が一緒に出るくらい緊張しました。直属の上司にはどうしても愚痴とか要望ばかり言ってしまうのですが、メンターの役員から『単に愚痴で終わらせるのか、それとも解決策を探っていくのか。腑に落ちなければ自ら情報発信していかないといけないよ』と言われ、納得しました。毎回気づきの言葉をいただいた」と感謝する。