2016年4月22日(金)

甘いものにも旬がある! 甘いものカレンダー

dancyu 2014年6月号

文・本城さつき 案内人・三宅清(「パナデリア」主宰)

和菓子

季節の移ろいを、ほんの少し先取りする和菓子。茶席の菓子を筆頭に、普段のおやつの中にまで、四季の移り変わりを楽しむ心が隠れています。

●1月『花びら餅』
京都の新年、初釜行事に欠かせない伝統菓子。白味噌餡、紅の菱餅、ごぼうの甘煮を、柔らかい白餅か求肥(砂糖を加えて練った餅)でくるんで折り畳む。ごぼうは正月の祝い膳・押し鮎の見立て。素材が京都の雑煮に通じるので、“包み雑煮”の呼称も。茶道を嗜む人にとって特に大切な菓子。

●2月『福豆』
節分には、豆撒きにちなんだ菓子を。福を呼び込むとされる縁起物・お多福豆のような愛らしい形は、桃山(白餡と卵黄を炊いたもの)を白餡で包んだやさしい味。1年で最も寒い時季は、いつにも増して体が甘いものを欲する時。ほくっとした歯ごたえもよし。

●3-4月『桜餅』
桜を待ちわびながら食べる、春の代表菓。江戸時代、桜の名所、向島・長命寺で周辺の桜の葉を使ってつくられたのが始まり。各地に広まり、関東では小麦粉、関西では地元の道明寺粉を用いた生地が主流となった。塩漬けの桜の葉を、一緒に食べるか残すかは好みで。

●5月『粽(ちまき)』
餅やういろう、羊かんなどの生地を笹の葉でくるんで蒸した菓子。中国が起源で、もとは米を包んだ供物だった。旧暦5月5日に没した楚の政治家に捧げたことから転じて、端午の節句の行事食に。中身に移った笹の清々しい香りは、夏が近いことを実感させる。

●6月『若鮎』
夏の季語、鮎の姿をかたどった、細長く美しい造形。卵入りの小麦粉生地で、求肥や餡をくるみ、焼きゴテで顔やヒレをつけただけのシンプルな菓子。どら焼きのような皮に、焼き印の香ばしい香りが素朴な味わいだ。

●7月『水ようかん』
通常の羊かんより水分が多くて、喉ごしも涼やかな水ようかん。夏の季語として親しまれる涼菓だが、古くは冷やして食べる習慣はなく、単に柔らかい羊かんを指したと考えられている。現在は寒天を使うものがほとんど。江戸時代は葛で固めるのが主流だった。

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本城 さつき