定年後、認知症のリスク高し

一方、グズもまったく問題がないわけではないという。辻教授はこう警鐘を鳴らす。

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年代別 どっちが幸せ?

「グズな人は、定年までは健康面のリスクはほぼないと言っていいでしょう。しかし、リタイアしてあまりにのんびりしていると、刺激がなさすぎて認知症のリスクが上がるんです。100歳まで長生きするような人には、アクティブな人が多い。そういう人は新しいものに興味を持ち、好奇心が強く、環境適応力も高い。グズな人でも仕事をしている間はそれなりに刺激があるからよいですが、定年になったら自分から動きたくなるような趣味などを持ったほうが認知症予防になるでしょう」

仕事面でも健康面でも、グズにもせっかちにもデメリットやリスクがあるようだ。

「いずれにせよ、極端だとリスクが高い。グズとせっかちの中間、ややせっかち寄りぐらいが一番よいのではないでしょうか」

しかし、どうすればグズな人がせっかち寄りに、せっかちな人がグズ寄りになることができるのだろうか。前出の一川教授は、「まず自分のタイプを知ることが大事」と話す。

「人にはそれぞれ、自分が快適だと思える“精神テンポ”があります。それに合ったスピードで仕事をするとストレスが少ない。案外、自分で自分の性格を認識できておらず、知らず知らずのうちにストレスをためていることもあります」