「仮説立案」「構成・文章化」「ビジュアル化」の3ステップ構成。各ステップの講義&練習問題であなたの資料作成力がぐんぐん伸びる。

全体構成

いよいよここからスライド全体をどんな構成にするか考えていきます。メッセージが優れていても、プレゼン全体の流れがつかみにくければ、せっかくの内容が相手の頭の中に入りません。全体像やフレームワークを決め、わかりやすい順番を考えて整理し、相手が見出しとして認識しやすいタイトルを付けていく、というプロセスが重要になるのです。

手順の概略を紹介しましょう。まず伝えたいことから構成要素を抜き出します。それらをいくつかの箱に区分けし、どのような順番で説明すればよいかを考えます。その後、レベル感を合わせるために大きなコンセプトを決め、その下にいくつかの項目を作り、言いたいことのまとめをします。レベルを揃えたものに見出しを付けたら、全体構成は完成します。

各手順を具体的に解説しましょう。<図>はプレゼン資料の全体像を示したものです。左から順に構成の改善が進んだものが並んでいます。

一番左はまだ構成されている状態ではない例。言葉のレベル感がバラバラで一見したところでは何を伝えたいのかとてもわかりづらい。タイトルが「本日のご説明事項」となっていますが、このタイトルではどんな中身かうまくイメージできません。見出しの言葉も「サマリ」であったり「評価」であったり、統一されないまま混在しています。また、「インプット情報(課題)」のようにカッコを用いていますが、カッコ書きで付け加えられた情報は、補足情報のつもりでも、かえって内容をわかりにくくしている場合がよくあります。カッコ内の情報を包含したタイトルにするか、カッコ書きではなく本文中で語るなどして修正すべきでしょう。

中央に示したのは、テキストレベルで構成を整えた例です。タイトルが「現状分析報告目次」となり、これから話す内容がわかるようになりました。また、中身も「課題」「評価」「解決策」といった構成要素にまとめられ、さらに「評価」は「プロセス評価」「システム評価」「運用評価」といった見出しで整然と分けられています。

一番右に示したのは、それをさらに図解してチャートにした例です。図解することで視覚的になり、さらにわかりやすくなっています。