▼大坪さんからのアドバイス

<strong>キーストーンフィナンシャル代表取締役 大坪勇二</strong>●1964年生まれ。新日鉄で9年間経理を担当したあと、ソニー生命のフルコミッション営業に転身。2006年、ホロスプランニング創設に参画し、08年より現職。著書に『手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術』がある。
キーストーンフィナンシャル代表取締役 大坪勇二●1964年生まれ。新日鉄で9年間経理を担当したあと、ソニー生命のフルコミッション営業に転身。2006年、ホロスプランニング創設に参画し、08年より現職。著書に『手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術』がある。

仕事が発生したとき、その内容にかかわらず、手近な空いている時間にどんどん予定を入れていく人は多いかもしれません。しかし、そのスケジュールの組み方は非効率です。というのも、発生順に予定を入れると、行動を求められる仕事と思考を求められる仕事が同じ日に混在してしまうからです。この2つは別の曜日に分けるべきです。

行動する仕事と考える仕事がなぜ同じ日ではいけないのか。営業の仕事を例にとりましょう。営業の場合、行動する仕事といえばお客様との商談です。もしアポイントとアポイントの間に、営業活動について振り返る時間があったらどうなるでしょうか。私の場合、「さっきの商談は何がいけなかったのか」「次の商談にはどう臨むべきか」と迷い始めて、次の商談のパフォーマンスが落ちます。行動を最大化するためには、反省や戦略策定は後回しにすべき。行動すると決めた日は、行動一色でいいのです。

私が生命保険の営業をしていた当時は、月曜から木曜の4日間を行動の日と決めていました。具体的には1コマ2時間単位で1日に4コマのアポを入れます。移動中にアポとりなどのタスクは処理しますが、考える仕事はゼロ。それを4日間続けて、この間は何も考えずに行動だけすればいい状態をつくります。

金曜日は、バックオフィスの仕事が中心。月曜から木曜までにできなかった資料づくりや事務処理などの作業をまとめてこなします。もし翌週に空いているコマがあったら、金曜日に集中的に電話をかけて埋めてしまいます。翌週の計16コマがすべて埋まっていれば、月曜からふたたび何も考えずに仕事にとりかかります。

考える仕事をするための時間は、土日の朝にまとめてとっています。朝5時から2時間だけ、その週の営業活動を振り返って長期的な戦略を練る“一人作戦会議”にあてます。金曜を考える日にしてもいいのですが、オフィスでは何かと雑務が飛び込んできます。できれば書斎やファミレスなど、誰からも邪魔されずに完全オフラインで集中して考えごとができる環境をつくったほうがいいでしょう。

行動と思考にそれぞれ最適な曜日は、業種や対象顧客によって違います。たとえば在宅の個人を対象とするのであれば、逆に週末を行動の日にしてもいい。いずれにしても行動と思考の仕事をきちんと分類して、考える仕事が行動の足を引っ張らないように予定を組むべきです。

(村上 敬=構成 相澤 正=撮影)