2016年3月12日(土)

エネルギーをつくる側と使う側のハーモニーを響かせる!

暮らしとビジネスを変える新製品&新サービス

PRESIDENT Online特別企画

エネルギーを取り巻く環境が変化するなかで、個人、企業、そして社会には何が求められるのか──。家庭から自治体まで、幅広くエネルギーに関するアドバイスを行っている環境エネルギー総合研究所の大庭みゆき代表に聞いた。
自分に合った服を選ぶようにエネルギーを選ぶのにもセンスが必要

大庭みゆき●おおば・みゆき
株式会社環境エネルギー総合研究所
代表取締役所長


九州大学大学院工学府博士課程修了。1982年に財団法人省エネルギーセンター九州支部に入社。98年に有限会社環境エネルギー総合研究所を設立し、同社社長に就任。2006年に同社を株式会社環境エネルギー総合研究所に組織変更し、現在に至る。自治体の環境審議会委員なども歴任し、環境省のビジネスウィメン第3期メンバーとして国の環境行政にも関わる。

 

上手に付き合うコツは「需要パターンを知る」こと

電力小売りの全面自由化がいよいよ4月からスタートする。さまざまなメディアで、独自のサービスや割引プランなどを目にする機会も増えているが、消費者の反応はどうなのだろうか?

「インターネットなどで熱心にお得なサービスを探す人がいる一方で、しばらく様子を見ようという人やあまり意識していないという人もいます。また世代や地域によっても関心度は違っていて、なかなか一様には語れません」と環境エネルギー総合研究所の大庭みゆき代表は語る。そこであらためて、今回の自由化の目的についてまとめてみよう。自由化によって期待されるのは、主に「家庭でも電力会社を選べること」「電気料金の抑制」「家庭などがライフスタイルに合わせた節電ができるようになること」「事業者の事業機会の拡大」の4つだ。

「バランスをとりながら、これらを同時に達成できるかどうかがポイント。こちらを立てれば、あちらが立たずというのではいけません。私たち消費者も、今後の動向を注意して見ていく必要があるでしょう」

傍観者でいるとせっかくの好機を逃してしまう可能性もありそうだ。時代の波をうまくとらえることができれば、消費者もさまざまなメリットを手にすることができる。例えば電力会社を選ぶ場合、何を基準にすればいいのか。そのポイントについて大庭さんは「まずは自分の家庭の需要パターンを知ることが大事です」と力を込める。

「トータルの電力使用量は同じでも、1日のどのタイミングで、どれだけ使っているかは家庭によって千差万別です。年齢層や家族構成が似ていても、電力の需要パターンは大きく異なっていることもあります。パターンが変われば、サービスや料金プランの選び方も変わる。自分の家の需要パターンを知らずに電力会社を決めてしまうのは、サイズの合わない洋服を買ってしまうのと同じです」

エネルギーを選べる時代になった今、自分自身を知ることが何より大事。もちろんこれは、家庭だけでなく企業にも当てはまる考え方だ。

「例えば、ビルや施設を管理する事業者の多くは、ピーク時の電力使用量で料金が決まるデマンド契約をしているため、まず最大需要量の把握が重要になります。それに合わせて、時間帯ごとにエネルギー需要がどう変化しているかを知ることができれば、いっそう効率的なエネルギー活用が可能になるでしょう。繰り返しになりますが、正しい現状の理解がエネルギーと賢く付き合う第一歩なのです」

加えて、その先で大切になってくるのが未来を見越す力だ。

「例えば家庭なら、結婚して、子どもが生まれてとライフスタイルが変われば、当然電力需要のパターンも変わってきます。中長期的な視点で電力の需要パターンを見つめ、定期的に自分に合った供給エネルギーを検討していくことが大切だと思います」

そして、ここまでの話を総括するように、大庭さんはこう付け加えた。
「これまでは与えられたユニフォームを着ていただけでしたが、これからは自分たちのサイズや適性などを考えなくてはなりません。エネルギーを上手に使い、その価値を高めていくには、各家庭、各企業にこれまで以上のセンスが求められているのです」

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