ビジネスに戦略が欠かせないように、不動産投資も情報収集と周到な計画が成功の確率を引き上げる。水戸大家さんの峯島忠昭社長がたどり着いた結論は、収益不動産「一棟」への投資。その意味や可能性について聞いた。
峯島忠昭
株式会社水戸大家さん
代表取締役社長

未来のために大切な資金を投じたものの、いまの生活に負荷がかかったり、結局思うような利益が得られなかったりしては、せっかくの努力も徒労に終わってしまう。投資にリスクは付きものだが、いくつかの要点を押さえて綿密に戦略を立てることで、十分低減することが可能だ。

それを自ら実践し、体系化したノウハウとして提供しているのが、株式会社水戸大家さんの峯島忠昭社長である。同社の事業は収益不動産の仲介が中心。この領域に特化した事業者は、実は全国的にも希少だ。そのため峯島社長は、高まるニーズに応え、各地で精力的に相談会を開催している。「投資に失敗しないことは最低限として、儲かる人を増やしていきたい。それが当社の方針です」。2010年の創業からこれまでの間に、不動産取扱高は約200億円、融資サポートは約400億円。確かな実績が、この言葉を裏づける。

「以前もそうでしたが、ここ数年の傾向においても、不動産投資に対する関心に衰えは見られません。お客様のタイプも実にさまざま。年収が1000万円を超えていても、給与とは別の収入を確保しておきたいという方。あるいは攻めの事業として、2棟目、3棟目を購入したいと希望される方。自己資金をできるだけ使わずに投資をしたいという相談もありますし、いま運用している物件がなかなかうまくいかないと、解決策のアドバイスを求められることもあります」

いずれにしても、動機として目立つのは「やはり将来への不安です」と峯島社長。「企業にお勤めのビジネスパーソンや経営者、医師、公務員。お客様の中心はかつてのように資産家や地主などではなく、いまや本業をお持ちの方々ばかりです」。相談者の中には金融取引のプロであるトレーダーもいるというから、この時代に不動産投資に踏み出すことの価値が推し量れようというものだ。

いい物件を手に入れる鉄則は「誰よりも早く」動くこと

収益不動産に投資することの魅力は定期的な家賃収入が確保できること。そして、現物資産を入手できることである。ここで重要なのは、自身に見合った「いくらの」「どのような」物件を購入するかという点だが、初心者はもちろん、オーナー経験者であっても判断するのは難しい。

まず、水戸大家さんが勧めるのは「一棟買い」である。家賃収入、ローンの返済、固定資産税の支払いや空室対策などのランニングコスト。こうしたもろもろの収支を総合的に考えたとき、「黒字化の可能性が高い」というのが、一棟に投資することの意味である。「キャッシュフローが生まれることで、手元にお金を残しておくことができますし、金融機関の信用も高まります。事業を円滑にスタートさせ、かつ2棟目、3棟目もお考えであれば、融資の上手な活用が大きなポイントなのです」。