より目立たない矯正方法とは

見た目が気になる人には、ブラケットを使わずにマウスピースを用いるインビザラインという矯正方法もある。このシステムは、コンピュータで歯の治療開始から完了までをシミュレーション。少しずつずれたマウスピースを何十段階も作り、約2週間ごとに替えていく。透明で目立たないものの、着脱が自己管理で強制力に欠けるため、おもに軽い症状向けという声があるようだ。

これらの矯正治療が終わった後は、歯列が元に戻るのを防ぐため、細くて丈夫なワイヤーを保定装置として歯の裏側に装着。2年ほど行い、本人の意思次第で継続する場合もある。自由診療のため価格設定はクリニックごとに異なり、生活に支障をきたす顎変形症のように外科手術が必要な場合のみ、健康保険が適用される。(費用は図を参照)

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「裏側矯正」は高額、「マウスピース」は症例が限定的

体験者の感想を聞いてみた。さくたろうさん(仮名・30歳男性・営業職)は、4年前、「今以上にモテたい」という動機で矯正を始めた。

「コンプレックスとまではいかない軽い出っ歯を矯正で整えました。見た目が大事なので、選んだのは裏側矯正。3年間で総額150万円というコストは、仕上がりに満足しているから、高かったとは思っていません。矯正してからはデンタルフロスを使ったり、定期健診に行くようになったり、歯への健康意識が高まったのが副産物でしたね。ただし慣れるまでは口中で結構痛くて、話しにくい。僕は目的が明確だから耐えられましたけど、軽い気持ちでやらないほうがいいでしょう」