2016年3月3日(木)

なぜ「女性が働きやすい会社」は伸び悩むのか

男と女の絶対法則【女性活躍編】

PRESIDENT 2015年1月12日号

著者
五百田 達成 いおた・たつなり
作家・心理カウンセラー

五百田 達成東京大学教養学部卒業。角川書店、博報堂などを経て2007年に独立。著書に『なんで水には色がないの? 大人も知らない世の中の仕組み』『察しない男 説明しない女』など多数。米国CCE,Inc.認定キャリアカウンセラー。

五百田達成 編集=渡辺一朗 構成=奥田由意
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女性を封じたから急成長できた!?

──日本の女性はどう社会進出を遂げてきたか。経済成長との関わりは?

近代化を迫られた明治期や高度成長期には、国や企業は競争力を急激に高める必要がありました。組織や価値観は画一化したほうが効率がいい。そこで女性の社会進出を封じ「男は仕事、女は家事・育児」と分業して乗り切ったのではないでしょうか。

男性のサポート役だった女性が表舞台で輝く。なでしこジャパンの活躍は象徴的だ。

そうした中でも、医師や学者や飛行士など、幾多の障壁を乗り越え仕事に就いた女性はいました。その存在が社会的に認知されることで、徐々に女性の働く道が切り拓かれてきました。

1986年の男女雇用機会均等法施行、97年の改正法成立を画期として建前上、女性は男性と同等に働けるようになりました。

その意義は大きかったものの、有能な女性を広告塔として登用しただけの事例も多かった。キャリアも家庭も持つエリートという高すぎる理想に意気を削がれたり、多すぎる選択肢の前に途方にくれる女性も増えたのです。

多様化を受け入れて居心地よい国目指せ

──多くの男性は女性抜きのほうが楽で、経済も成長すると考えている?

短期的な成長だけを考えれば、多様化は非効率。とはいえ、旧来の男性中心社会で米中に伍していこうにも、人口比から見て不可能でしょう。

しかも、画一化社会は危機に際し脆弱です。先進国で働き方が多様化しているのは、リスク分散のため。女性も一度働くという選択肢を知った以上、もう後戻りはできません。

それならば、成長はそこそこでも技術力があり、気候と治安がよく、多様化が認められる居心地のよい国になればいい。老舗ブランドや歴史の厚みなど日本と共通の多い、イタリアのような国を目指すのも面白いのでは?

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