我々が現在行っている研究の中に、失敗を歓迎するように教えるセミナーがあります。セミナーでは、みんなの前で自分の失敗を発表し、それについて議論させます。どのような失敗をしたのか、という競争をさせるのです。

私が企業のコンサルティングでまず行うのは、どういう問題で苦しんでいるか、どういう間違いを犯したか、その間違いから何を学んだかを聞いて回ることです。それが、その企業の成長の基盤になるからです。まだ伸びる余地のあるところ、Not Yetの可能性を秘めているところなのです。

アメリカでもっともイノベーションを創出しているシリコンバレーには、Failure of the Year Award(その年の失敗賞)を授与する財団があります。この賞は誰もが欲しいと思う憧れの賞で、失敗したプロジェクトに与えられます。そのプロジェクトに取り組んだ人たちは貴重な教訓を得ることができます。その教訓こそがその組織を前進させるのに貢献するのです。

「失敗賞」は、その失敗が提供してくれた学習する経験と機会を評価するものです。一見笑ってしまうような賞ですが、「失敗は成功のもと」を象徴する賞です。失敗は本当に多くの情報を提供してくれ、将来多くの成功を生み出す可能性を有しています。シリコンバレーのモットーは「より早く、より首尾よく成功できるように、早期に、そしてできるだけたくさん失敗をせよ」ということなのです。

日本の企業はアメリカの企業と比べるとリスクをとりたがりません。もし失敗したら代償を払わされる、と思うと新しいことに挑戦する気持ちは薄れてしまいます。

同時に複数の異なることが起きるビジネスというものは、非常に複雑で大きなものです。もしあなたの会社が将来生き残って、成功を収めたければ、絶えず新しいことに挑戦し続けなければなりません。そこには失敗はつきものです。その失敗をフルに生かさなければ成長はありえないのです。

(構成、撮影=大野和基)
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