通院費、健康食品、娘の教育費……

ここからは、意外と“見えないお金”について書いていきます。まず治療のために病院に行きますが、歩いて行っているわけではありません。電車で通院するため、電車賃が必要です。さらに昼食を摂り、治療で疲れれば喫茶店などに入って休憩をしてから、帰宅することもあります。妻の身体の具合によっては、自宅の最寄りの駅からタクシーに乗ることもあります。これらの費用が、少なく見積もっても1回1500円くらいです。私が付き添うと、その倍になるため3000円。だいたい月3回の通院として、治療費以外に月4500円から9000円くらいかかっていることになります。

このほか、免疫力を高める効果があるといわれている、にんじんジュースを毎日つくって飲んでいます。この材料費が1日150円はかかりますので、月に4500円。乳酸菌飲料も飲んでいますので、これがだいたい月3000円。副作用によるケア代(市販商品)は月5000円くらいかかっています。

治療費4万4400円に、手術費を除いたこれらの費用を加算すると、少なくとも月6万3000円はかかっていることになります。これでも妻の場合、あまりかかっていないほうなのです。

たとえば、健康食品に月3万円ほど使っている人は、めずらしくはありません。さらに健康保険が効かない先進医療や民間療法などの治療を受ければ、月10万円以上かかっても、不思議ではありません。つらい闘病を続けるため、心を癒すためのお金を多く費やす人もめずらしくはありません。

これらのことから考えると、一般的に闘病にかかる費用は月7、8万円くらいの人が多いのではないでしょうか。この金額が「それほど負担ではない」と思える人は、そんなにいないのではないかと思っています。

将来かかるお金として、特に重要で把握しておかなければならないのが、娘が社会人になるまでのお金です。まだ私の娘は小学校6年生なので、あまりお金がかからない時期ですが、それでもわが家の場合、すでに不安を覚えています。

娘の習い事はダンスだけなのですが、これは小学生にしては、少ないかと思います。習い事を2つ、3つしている子は、かなり多いからです。娘が習い事を1つしかしていない主な理由は、わが家にお金の余裕がない状態が続いているからです。

ただ、多くの習い事をすればいいとは考えていません。娘の場合、習い事のダンスは大きな楽しみの1つとなっているため、単にいくつもの習い事をこなしているよりは充実している、と思っています。しかし、こんな呑気なことを思っていられるのも、娘がまだ小学校6年生だからです。