――5年以内に売上高を3.8兆円から5兆円以上とする見通しを発表した。

【中山】2社の規模と売り上げを見ると、店舗数が高く積み上がり、横幅(日商)が狭くてひょろ長い建物のように映るかもしれない。しかし横幅は広がると確信している。その根拠の一つが、CVSにとって一番重要な中食の、クオリティアップの取り組みだ。約2年前、社内に「中食構造改革委員会」を発足させ、商品クオリティと生産体制との両面から徹底的に見直してきた。その結果、自主企画商品が好調だ。この統合で生産体制の変革を加速させれば、日商は現在の50万円台から60万円に近づけていけると見込んでいる。

――統合後のブランド統一は?

【中山】CVSのブランドを統一することは決まっており、まさに議論しているところだ。ポイントや共通カードなどグループ全体に横串を通す仕組みはつくるだろうが、仕組みで顧客を囲い込む発想より、商品の魅力で選ばれる店舗を目指す。小売業も最後はモノづくりのところで勝敗が決まると考えている。

――海外戦略をどう考えている?

【中山】中国・アジアを中心に5700店を出店しているが、今後も店舗数は増やす。中国だけでも一国ほどの市場を持つ都市が沢山あり、成長の可能性は大きい。その中国も遠からず、日本と同じく高齢化を迎える。第3フェーズの店舗が完成すれば、この先数十年、成長産業であり続ける。

ファミリーマート社長 中山 勇
1957年、東京都生まれ。81年東京大学農学部卒業後、伊藤忠商事入社。油脂部長、常務執行役員などを経て、2013年より現職。
(大島七々三=構成 大泉 裕=撮影)
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