貸借対照表(B/S)の円グラフの見方

貸借対照表(B/S)の円グラフの見方

●円グラフの大きさの推移を見る

 B/Sの円グラフの大きさは、その企業がもっている総資産の規模を表し、一般に企業が成長していれば円は大きくなる。図のGOODの例では円が徐々に大きくなっており、企業が成長段階にあるといえる。一方のBADの例では円が縮小方向であり、企業としては衰退が始まっている可能性があるため、注意が必要だ。

●色のバランスを見る

 経営が安定しているといわれる企業は、資産の内訳が急激に変わることはまずない。ユーレットでは、円グラフの色のバランス(配色)を見ることで経営の安定度を測ることができる。図のGOODの例では円グラフの各色のバランスがさほど変化しておらず、経営が安定した企業といえる。一方のBADの例では2007年期では黄色の部分(資本合計=会社の正味の資産)が左側にきており、円グラフの色の位置が変化している。このように色のバランスが変わるときは、経営のバランスが崩れている可能性がある。

●黄色の部分を見る

 B/Sの円グラフで黄色の部分は資本合計を表している。業種によっても異なるが、一般にこの黄色の部分の割合が大きいほど経営が安定しているといえる。GOODの例では円グラフの右側に占める黄色の割合が年々大きくなっており、経営が安定していることが窺える。一方のBADの例ではGOODの例と比べ、黄色の部分の割合がかなり小さいことがわかる。また通常の企業であればGOODの例のように黄色の部分は右側にくるが、BADの例では07年期に黄色の部分が左側にきている。これはこの企業がこの年に債務超過に陥ったことを示している。

(向井 渉=撮影)