野党の大同団結か、与党とパーシャル連合か

【塩田】新しいおおさか維新の会は、政党として、どんな路線や政策を目指すのですか。

【馬場】おおさか維新は与党ですか、野党ですかとよく聞かれます。私は地方議会の出身ですが、地方自治は首長と議員が別々の選挙で直接、住民から選ばれる「二元代表制」です。首長寄りかどうかというのはありますが、与党か野党かというのはない。首長が出してくる議案に、必要なら賛成するし、おかしければ修正をかけていく。間違っていれば反対する。有権者が政党に求めている役割はそれだと思います。ところが、議院内閣制の永田町では、いつも与党、野党のどっちかという話です。われわれは与党と野党の間の「ゆ党」と言われたりしますけど、国民本位のスタンスを変えていく気はありません。与党にべったりとか、野党の側で勢揃いというのは、何か違うのではという気がします。

【塩田】おおさか維新を結党した後、国会で次世代の党や旧日本を元気にする会の人たちと統一会派を目指す動きがありました。

【馬場】いろいろなチャンネルで交渉していると思いますが、方向性としては、数を集めることよりも、維新スピリッツを本当に理解してもらっているかどうかという物差しで測らせていただきたい。大阪のダブル選挙で、われわれは自民党、民主党、共産党が一緒になって選挙をやったのを「談合選挙。野合」と批判してきた経緯があります。性急に数を集めることを第一目標とすべきではないというのが基本的なスタンスです。

【塩田】「ゆ党」で行くにしても、現実には国会は数が大きいほうが力があります。統一会派の結成をステップにして、さらに野党再編を目指す考えはありませんか。

【馬場】選択肢は2つしかありません。野党の大同団結か、与党を過半数割れに追い込み、与党とパーシャル連合を組む形を目指すか。新興勢力の党が単独で過半数を取って単独で政権を運営していくのは無理でしょうから、この2つの選択肢を視野に入れて活動していきます。野党再編を否定しているわけではありませんが、もっと大きな旗が必要です。

【塩田】「ゆ党」のおおさか維新に、安倍晋三首相や菅義偉官房長官は非常に親近感を持っています。安倍政権とおおさか維新の関係はどうあるべきだと思いますか。

【馬場】安倍さんが07年に1回目の首相を辞めて失意のとき、菅さんは安倍さんをもう1回、首相にと動いていたメンバーの1人でした。そのとき、現衆議院議員の遠藤敬さん(現おおさか維新の会国対委員長・元日本教育再生機構大阪会長)が、安倍さんを大阪に呼び、教育シンポジウムで松井さんと対談したのが濃密な付き合いになるきっかけです。

シンポジウムが終わって、何人かで会食しました。私もいましたが、僕らも「ぜひ頑張ってほしい。教育の改革や日本の安全保障などをきちんとしなければ」といった会話をして意気投合し、付き合いが始まりました。安倍さんが自民党総裁選挙に出馬できないとか、出ても負けた場合は、自民党を離党する人が出てくるので、そういうメンバーと維新が組んで、新しい思想の改革政党をつくろうという具体的な話がありました。その先頭を走っていたのが菅さんで、ずっといろいろ相談していたんです。