「いつ帰るの? ゴハンは?」と残業中に連続メール。飲んで帰ればチェーンがかかり、反論すれば皿が飛ぶ。そんな夫たちに自由をつかむ秘策はあるのだろうか。3児の父で、NPO法人ファザーリング・ジャパンの荒木正太理事に聞きました――。

3人も子供がいると、朝はてんやわんやです。まず6時に起きて、妻が料理をしている間、夜に回した洗濯物を干したり、保育園の準備をします。朝食後、全員で保育園へ向かいますが、誰かぐずったりすると、電車の時間が決まっている僕が先に何人か連れて出て……。それが毎朝ですね。

NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、通信会社社員 荒木正太氏

帰宅は、直帰で19時に着く日と、とことん仕事をやって0時以降の日があります。早い日は子供にご飯を食べさせたり、食器洗いしたり、そのときにできることを奥さんと分けてこなしていく。遅い日はみんな寝ていますが、妻1人だと食器が洗えていなかったり、部屋が散らかったりしてますから、その始末をします。

早く帰る予定でも、夕方に仕事が舞い込んでくることがあります。明日でもできることだったらやらずに帰るし、締め切りから逆算して今日中にやる必要があれば、会社に残る。奥さんに伝えると「まあ、しょうがない」ですね。共働きですが、僕のほうが収入が多いので、何かあったときは僕を優先してくれるように自然となりました。

とはいえ、帰りの遅い日が続くと、妻は少し不機嫌になります。だから残業が続かないように、水・金曜日は早く帰るように心がけているんです。特に金曜日は早く帰ります。そして子供を寝かせた後、頑張って起きる。その後は家事をすることも多いですが、甘いものを食べながら、夫婦でゆっくり過ごします。そうすることで週末が長く感じるんですよ。

結婚した当初から、「夫婦の時間をつくるように意識してほしい」と妻に言われていました。夫婦でただ一緒の空間にいるだけではダメで、ちゃんとコミュニケーションを取る時間を求められる。その要請は子供ができてから特に強くなりました。正直、ちょっとしんどいと思うこともありますよ。でもそれは10年、20年後の夫婦関係を見据えた妻の提案ですから、素直に受け入れています。