ご褒美は「シウマイ弁当で」

堀江は、パナソニックのみならず、日本ラグビーの行く末を見つめている。リーダーとしての自覚と責任感が強い。だからだろう、堀江は2月に開幕するスーパーラグビーには、海外チームからのオファーを断り、初参戦の日本チーム『サンウルブズ』のメンバーになることを選択した。

「だって、“選手が集まらないと、サンウルブズないよ”って言われたのが、やっぱり、きっかけですね。僕も幼稚園の時、Jリーグができて、プロリーグができてというところで、ヴェルディに入りたいナという思いは持っていたので。そういう思いを、(サンウルブズを見て)ちっちゃい子たちに持ってほしいですね」

キャプテンの強さとはつまり、人間力である。奢らず、うぬぼれず。いつも自然体で、己のスタイルを変えない。そういえば、リーグMVPのご褒美で何かほしいものは?と聞かれたら、堀江は笑ってジョークを飛ばした。

「(好物の)崎陽軒のシウマイ弁当ぐらいで」

松瀬 学(まつせ・まなぶ)●ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)、『一流コーチのコトバ』(プレジデント社)、『新・スクラム』(東邦出版)など多数。2015年4月より、早稲田大学大学院修士課程に在学中。
【関連記事】
ラグビー人気拡大の要諦はピッチの充実にあり
「すべてポジティブにとらえて」-堀江翔太
男子セブンズ、リオ五輪メダルに照準
「リラックスしながら、100%の集中」-田中史朗
「規律と努力」7連覇を支えた帝京大チーム文化の神髄とは