今も時短勤務中。働くイクメン代表

3人目の子供が産まれてから時短勤務で、通常16時に退社しています。妻が育休を取って一番下の子供を見ているので、上の2人は僕が担当。保育園の送り迎えや、家に帰ってからもあれやこれや世話しています。

サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久氏●1971年、愛媛県生まれ。松下電工勤務を経て、97年にサイボウズを設立。2005年4月に代表取締役社長に就任。長男誕生で2週間の育休、次男誕生で週1の育休を半年取得したことで話題を呼ぶ。現在、3児の父。

「いいパパですね!」と言われますが、基本的に子煩悩ではありません。もともとは職場で燃えつきるまで働きたい、昭和的価値観の持ち主なんです。1人目が産まれたときはなんだかんだ言い訳して子育てから逃げていたし、2人目ができてからも、家に帰るのは20時ぐらいでした。

現在の形になったのはすべて、妻の要請によります。子供が増えるごとに、徐々に多くの家事を求められるようになったんです。

家庭内で自分の時間は、全くありません。去年の年末、妻が子供を連れて一足先に実家に帰ったんです。僕はプロレスが好きなので、録りためたテレビ中継やビジネス番組を見ようとしたら、番組が正月から全部残っていた。「1年間見なかったんだ!」と衝撃を受けましたね。

でも、辛くはないですよ。諦めてますから。諦めるというとネガティブに響くかもしれませんが、見方を変えれば、厳しい現実を受け入れる能力があるということ。「自分は趣味をガマンしてる」と考えていると不幸ですけど、諦めたら楽しく生きられます。

世のお父さんは、捨てる覚悟を持てばいいんです。それは趣味の時間だけでなくて、仕事も同じ。僕は子供ができるまでは眠くなって瞼が落ちるまで働いていました。でもそんな量の仕事をしていたら時短勤務はできません。そこで本当にやるべき仕事は何かを見極め、捨てられる仕事は捨てるようにしたんです。長時間働く=生産性が高いわけでもないですし、限られた時間の中で仕事するとわりきって、手に余る仕事は人に任せてしまいます。