普通のサラリーマンががんばって貯金をしても、1億円は難しい。リタイアまでに本気で1億円を目指すなら、若いうちからの大胆な人生設計が必要だ。そこで、お金のプロである、本田健さん(経営コンサルティング)と藤川太さん(ファイナンシャルプランナー)のお2人に金持ち老後への道案内をしてもらった。

本田さんがガイド
【起業家コース】才能を活かしてお金も幸せも手に入れる!

 ▼自分の「成功モデル」にしがみついてはいけない

30代で起業してある程度の成功をおさめたという前提でお話しします。40代は30代の成功をそのまま引き継ぐだけと考えているとしたら、相当に危険です。40代は軌道修正を迫られる時期。対応を間違えると、30代で積み上げたものを一気に失います。

もともと急にお金持ちになった人や会社は、長く持たない傾向があります。昔でいうと、1910年代に鈴木商店は第一次世界大戦でぼろ儲けして急成長しましたが、20年代には事業停止に追い込まれました。近年も同じです。80年代に不動産で財を築いた人も、90年代のIT黎明期にチャンスをつかんだ人も、大半はそれぞれのバブルの崩壊と同時に姿を消しました。お金持ちの寿命は、だいたい10年。10年経てば顔ぶれが変わるのが現実なのです。

ただ、時代が変わっても、お金持ちであり続ける人もいます。ずっとお金持ちの人と途中で消える人。違いはいったいどこにあるのでしょうか。それは、自分の事業を時代に合わせて微調整できるかどうかの違いです。消える人は、自分が成功したモデルに自信があり、時代に合わせて変化させることを嫌います。一方、お金持ちであり続ける人は、時代のニーズに即して事業を絶えずマイナーチェンジさせています。その柔軟性が、お金持ちであり続けられるかどうかを分けるのです。

もちろん節操なく時代を追いかければいいというものではありません。時代に対応しつつも、軸足がブレないことが大切です。たとえば老舗の和菓子店が、スイーツブームに乗ってパフェを売り出すのは、ただの迷走。しかし羊羹を使ったパフェなら軸足はブレていません。このように自分が大切にしてきた価値を守りつつ、時代に合わせてアレンジすることが、お金持ちであり続ける秘訣です。