大富豪への近道は「ローリスク・ローリターン」

投資の世界で重要なのは、理屈ではない。ましてや後付けの解説でもない。論より証拠。儲かったか、損したか。実績がすべてだ。その点、ウォーレン・バフェットの年々の資産は、過去12年間で400億ドルを割り込んだのは、リーマンショックの影響を受けた2009年だけ。あとは400億ドル以上で推移しており、「確実に儲けてきた達人」である。

バフェット流投資法の特徴は、「ハイリスク・ハイリターン」でも「ローリスク・ローリターン」でもなく、「ローリスク・ハイリターン」。実に「理想的」で、過去の「ポンド危機」や「アジア通貨危機」で大儲けした“ヘッジファンドの帝王”ジョージ・ソロスのリスキーな「ハイリスク・ハイリターン」手法とは対照的だ。

『「世界の大富豪」成功の法則』(城島明彦著・プレジデント社)

「世界長者番付」に顔を出しているヘッジファンド・マネージャーには、ジョージ・ソロスのほかにも、ジェームズ・サイモン76位140億ドル、スティーブ・コーヘン109位114億ドル、ジョン・ポールソン113位112億ドル、デイヴィッド・テッパー121位104億円らがいるが、ウォーレン・バフェットの資産に匹敵する者は現れていない。

「ウォーレン流投資戦略」が、誰にもわかる単純明快な正攻法である点も共感を得ている。

コカ・コーラとかIBMといった「優良株」を、株価が安いときに買って長期間“塩漬け”にしておく。目先の動きには絶対に左右されないこと。それだけだ。

(1)信頼できる企業、10年20年経ってもみんながほしいと思う商品をつくっている会社にしか投資しないこと。
(2)ルール1「絶対に損をしないこと」。ルール2「そのことを絶対に忘れないこと」。

これが「2大必勝心得」であるとウォーレン・バフェットはいっている。

※日本円の数字は、発表された時点での為替レートで計算している。
※本記事は書籍『「世界の大富豪」成功の法則』からの抜粋です。

(佐久間奏=イラストレーション)
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