2016年1月29日(金)

「目先のお金」にとらわれる女性がなぜ多いか

PRESIDENT 2015年3月30日号

構成=矢野貴之
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目先のお金にこだわるのは個体差で性差ではないのではないか? と思ったが、データを調べてみると、むむむ、男女差がくっきりと表れてきたのである。

「数学的才能に男女差はありません」と言うのは、心理学者の伊東明さんだ。確かにテストの成績を見ても、むしろ点数は女性が高い(表1参照)。

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表1:理科、算数(数学)の成績は女子が上

「しかし投資などを例にすると、数字のとらえ方には明らかに男女差が見られます。例えば、リスクが多少あっても高配当で儲かりそうな株を買いたいと考えるのは主に男性ですが、毎月分配型の投信のように、定期的に安定した収入を確保できる商品を選ぶ傾向が女性は強い」

能力に違いがないのであれば、何がその差を生み出しているのだろうか?

「生物学的に言えば、男女のホルモン差は確かにあります。男性ホルモンのテストステロンは、目標達成や勝ち負けにこだわるといったことに作用するため、基本的に男性は理詰めで話し、相手より優位に立とうとする傾向が見受けられます。

一方、女性ホルモンのエストロゲンは、ほかの人とのつながりや安定といった共感を求める方向に働きます」

先天的な生物学的要因に加えて、後天的な要因、すなわち、社会・文化的な影響が大きいと伊東さんは続ける。

「おもちゃを例に挙げれば、『ポケモンのカードゲーム』のように数値化された能力を競いながら勝敗をつけるのが男の子の遊び。『リカちゃんハウス』のように結びつきやコミュニケーションを楽しむのが女の子の遊びというのが一般的でしょう。さらに、男の子は野球やサッカーに接しやすい。勝負事であることはもちろんですが、打率といった数字に接することで、自然とデータを基にしたロジカルな会話をするようになります。

対して女の子はエモーショナルな会話。つまり共感し合うこと自体が会話の目的になります。

こうして生来のホルモンの働きに加え、社会・文化の影響が、成長する過程において積み重ねられ、増幅された結果が、男女の数字への感覚の違いなのだと思います」

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