2016年2月12日(金)

まさか半熟卵とは! びっくりボールの「スコッチエッグ」

dancyu 2014年4月号

文・加藤ジャンプ 撮影・福尾美雪 教える人:小堀紀代美
「世界のたまご料理を食べに行きませんか?」。編集部からの1本の電話にときめいた。食っちゃ寝系ライター・加藤ジャンプは、何があろうと、巨人や大鵬がなくとも、卵焼きだけは確保したいタイプだ。その甘い誘いを聞いただけで、心は世界で一番優しい色、すなわち卵色に染まった。向かうは順にアメリカ、韓国、フランス、タイ、英国の5カ国。嗚呼もう我慢できない。卵が先か鶏が先かなんて謎も、もうどうでもいい!
さあスーツケース片手に「世界のふわとろ卵」の旅へ、出発!

時間と温度で、半熟卵をキープする

旅の掉尾を飾るのは、英国ではパブやデリなどで人気のスコッチエッグである。18世紀頃にできたもので、一説にはムガール帝国の料理がヒントになったという。

とろとろの黄身がスパイスの香り豊かな挽き肉と相まって、倒れそうなくらいに旨い。いくらでもお酒が進んでしまう誘惑のたまご料理。揚げ物界の王様(?)的存在。

さて今回のスコッチエッグはちょっと特別。一般的には、固ゆで卵を使うが、今回は小堀紀代美さんのとろとろバージョンなのだ。「冷たい卵をゆでて、とろとろのゆで卵をつくります。その卵は揚げるまで、冷やしておくのがコツ」。

実は、ゆで卵の段階であまりに旨そうで、丸飲みしたい誘惑に負けそうだった。しかし、それを我慢するのがプリンシプルのある男、イングリッシュ・ジェントルマンである。そこで、襟を正して調理プロセスを見る。これがまた蠱惑(こわく)的だ。香り高いスパイスが刺激的で、鼻で肉ダネを吸い込みたい気分に襲われる。しばし目をつぶって心頭を滅却していると、いよいよ完成。フォークでサクサクの衣、挽き肉の地層を破り、核である黄身に到達すると……とろとろのマグマに完全にやられた。スコッチエッグってこんなに旨かったんだ……。

こうして世界のたまご料理の旅も最後を迎えた。世界中で愛される卵は、偉い(もっと旅したいが、ひとまず日本でたまごかけごはんをいただきます)!

ご馳走さまでした!

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加藤 ジャンプ