田原氏への質問:いま僕らが生きている時代は、幸せな時代ですか?

【田原】100年単位で見ると、いまの時代は後世に評価されるでしょう。戦後の日本の発展は、歴史的にも稀有な例。若い人は“失われた20年”に目が行きがちですが、もう少し長いスパンで見れば、これほどうまくいった国はない。

一方、ここ数年では、東日本大震災と原発事故を経験して、社会は文明というものに疑問を持ち始めて、自然回帰の流れが強くなりました。これは時代を巻き戻せというのと同じで、ヘタをすると社会が停滞するおそれがありました。しかし、実際はイノベーションの時代に突入して、若い起業家が前向きにビジネスをやっている。長期で見ても短期で見ても、いまという時代にもっと自信を持つべきです。

遺言:この時代を生きることに自信を持て

田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年よりフリーのジャーナリストに。若手起業家との対談を収録した『起業のリアル』(小社刊)ほか、『日本の戦争』など著書多数。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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