2016年1月27日(水)

「家庭崩壊」はベッキーだけじゃない! ある海外駐在員が陥った恋のゆくえ

あなたの出世、採用、給料、リストラはこう決まる【22】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

ジャーナリスト 溝上憲文=文

海外駐在が長くなるとトラブルが発生する

「当社も近年、海外市場の拡大を熱心にやっていますが、海外経験がある30代社員が少ない。どうしても中高年に頼らざるをえず、しかも駐在期間が長くなります。しかし、長く居すぎるとトラブルも発生するのです」

大手ITソフト会社のバンコク支店長の妻からの電話が発端でした。支店長のA(50)は駐在4年目の単身赴任中。妻は海外営業部の上司に「以前は頻繁に帰国していた夫が1年近くも帰って来ない。電話をしてもあまり出ない。女がいるのではないか」と相談してきたのです。上司は四半期に1回の東京での会議には出席していた。バンコク支店の部下にそれとなく確認すると、現地の女性と交際しているらしいことがわかりました。

上司から人事課長に一応報告があり、人事部長の耳にも入りました。

『人事部はここを見ている!』溝上憲文著(プレジデント社刊)

「困ったものですが、海外駐在員なら多かれ少なかれ、よくあるケースです。現地に女がいるなら家庭のフォローぐらいしっかりやれ、と部下を通じて上司に指示しました。ですが、支店長のAは昔から真面目で、いわば妻一筋の男です。一方で、あまり長居させるとまずいかなと思い、早めに異動させることも考えていました」

部長の予感は当たりました。その後、現地の夫に直接会いに行ったという妻から悲痛な訴えの連絡が入ったのです。

「夫は女と同棲し、私と別れてくれと言っています。しかもその女は同じ会社の社員じゃないですか。どうしてくれるんですか」

これはまずいと思った部長は、Aに本社への異動命令を出し、部下の人事課長を現地に赴かせました。ところがAは女性と別れることはおろか、異動命令も拒否したのです。

「Aの相手は24歳の現地採用の女性でした。Aは相当惚れ込んでいるらしく、説得に耳を貸そうとしません。課長に『会社にご迷惑をかけて申し訳ありません。妻とのことは会社に責任はありません。長い間お世話になりました』と言って、辞表を渡し、深々と頭を下げてきたというのです」

最終的にAと妻は協議離婚しました。人事部長は「海外駐在は、若い人は妻と帯同しますが、中高年は子どもの教育もあり、単身赴任が多い。海外での仕事はストレスもたまりやすく、ちょっとした遊び心から本気になる人が増えるかもしれない」と危惧しています。

※本連載は書籍『人事部はここを見ている!』(溝上憲文著)からの抜粋です。

『人事部はここを見ている!』(プレジデント社)
人事部はここを見ている!

[著] 溝上 憲文  

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