2016年1月15日(金)

「規律と努力」7連覇を支えた帝京大チーム文化の神髄とは

スポーツ・インテリジェンス【第44回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文
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入れ替わる選手と7連覇

1996年からチームを率い、20年目を迎えた。その節目の年にラグビー界の金字塔ともいえる『7連覇』を達成した。7年連続の大学日本一。学生の手による胴上げで7度、宙を舞った帝京大学ラグビー部の岩出雅之監督は言葉に万感の思いを込めた。

「ホッとしています。久々に厳しい決勝戦でした。重みのあるゲームを体感できて、勝利できたことをとてもうれしく思います」

57歳。もはや名監督のひとりである。勝負師であり、教育者でもある。目はコワく、でも優しい。その鋭い視線はすべてを見つめているようなのだ。学生のプレーを。人間としての成長を。学生の将来を。

社会人の新日鉄釜石(78~84年度)、神戸製鋼(88~94年度)と並ぶ7連覇とはいえ、学生は意味合いがちがう。毎年、メンバーが入れ替わる学生にあって、連覇は至難の業なのだ。若者を育てながら勝たないといけない。

「結果としての連覇はうれしいですけど、釜石や神戸製鋼とは違います。学生は夢を持つことがエネルギーとなります。4年間、あるいは1年間を、学生が高い目標を持って、きちっと努力していくことが大事なんです。そうやって社会で生きる力を身に付けてもらいたいのです」

そうなのだ。長い目で見た場合、優勝することが山のてっぺんではない。学生の人生を考えたら、卒業後の人生の方が長くなる。未来につながるものを積み上げていく機会として、ラグビーがあり、出会いがあり、日々の鍛錬があるのだろう。

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