2016年1月26日(火)

TOEICのスコア「伸びる人」と「頭打ちになる人」どこが違う?

PRESIDENT 2014年6月2日号

著者
村上 敬 むらかみ・けい
ジャーナリスト

1971年、大阪府生まれ。東京外国語大学外国語学部(マレーシア語科)卒。ビジネス誌・エンタープライズIT誌を中心に、自己啓発から経営論まで、幅広い分野で活躍中。

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村上 敬=文
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勉強をすれば成績が伸びるという常識は必ずしもTOEICに当てはまらない。スコアが伸びた人と伸び悩む人の徹底比較から両者の学習スタイルの違いが明らかになった。

喫茶店でリラックスしながら、テキストを黙々と眺めている。将来必要になりそうだからという動機で英語を勉強しているのだ。リスニングよりは単語の暗記に重点を置き、単語帳を使って単語を暗記している。リスニングはまずは英文を見てから、同じ英文を何度も繰り返し聴く。音読はしない――。

あてはまる方はいないだろうか。これは今回の調査の結果、判明した典型的な進歩がない人の姿だ。勉強すれば成績が伸びるという常識は、必ずしもTOEICに当てはまらない。勉強しているつもりなのに、スコアが伸び悩んで肩を落としている人も多いはずだ。

スコアが伸びる人と頭打ちになる人は、どこが違うのか。それを明らかにするために、TOEICを複数回受験したことがある人1000人にアンケート調査を実施。初回受験時よりスコアが200点以上アップした人を「伸びた人」、スコアが変わらないか落ちた人を「進歩がない人」として、両者の学習スタイルを比較してみた。

まず差が出たのは、英語学習の目的だ。何のために英語を学ぶのかを尋ねたところ(複数回答)、伸びた人でもっとも回答が多かったのは「仕事で必要だから」の52.5%(進歩がない人では32.5%)。一方、伸び悩んだ人で最多の回答は、「将来必要になりそうだから」の45.2%だった(伸びた人は40.8%)。この結果を、元イェール大学助教授で、英語塾「JPrep斉藤塾」代表の斉藤淳氏は次のように解説する。

「応用言語学では、集中力が学習効果に影響を与えるという考え方が常識です。集中力は、目的の切迫性に左右されます。とすると、伸びた人の中に、『仕事で必要』という切実な理由で勉強した人が多いのは納得です。進歩がない人に『将来必要になりそう』と回答した人が多いのも当然。目的が漠然としていると学習のやり方も漠然としてしまい、効果があがりにくいのです」

重視する学習ジャンルは、伸びた人と進歩がない人で明確な違いが出た。勉強にもっとも時間をかけたジャンルを聞くと、伸びた人は「リスニング」が61.1%で、「単語」が12.1%。それに対して進歩がない人は「リスニング」が50.3%で、「単語」が21.7%だった。伸びた人は「単語よりリスニング」、進歩がない人は「リスニングより単語」の傾向が明らかだ。その理由を、斉藤氏は次のように分析する。

「読む、書く、聴く、話すという言語の4スキルのうち、もっとも難しいのがリスニングです。他の3つは自分のスピードでできますが、リスニングは相手のペースで容赦なく音が流れてきます。とくにテストでのリスニングは困難です。日常会話ならジェスチャーや表情などの非言語的なヒントがありますが、テストの場合は純粋に音だけです。伸びた人は、リスニングが難しいことをよく知っているから重点的に学習しているのでしょう」

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