アメリカ人がしゃべる英語がわからない!

【三宅】今回は最初から非常に刺激的なお話を聞かせてもらいありがとうございます。ところで福原さん、英語は小さいときから好きで得意だったのですか。また、どういうふうに英語の勉強はしていたのでしょうか。

三宅義和・イーオン社長

【福原】ラッキーだったのは、幼稚園のときに、今でいうプレスクールみたいなところに週1、2回通っていました。そこに、小学校ぐらいまでずっと行きました。私は「英語が好きだ」と思ったことは1度もないんですが、そこに行くと、すごく美味しいチョコレートやクッキーと紅茶が出るわけですよ。あと、ハロウィーンになるとパーティーをしたり、イースターになると卵のお化けが出てきたり、そういうイベントが日本にないものだから楽しい。いつしか「外国っていいよな」との思いを持ちました。決してしゃべれるわけではなかったんです(笑)。

中学時代、英語が好きだったかというと、少なくとも他の科目より好きでした。やはり幼少での体験が生きていました。イーオンさんでも取り入れている子供を楽しませるやり方と同じではないでしょうか。子供は単純なもので、別に英語が楽しいと思うことは一瞬もないし、外人と話せることもすごいとは感じませんが、そういうイベントで楽しく続けられた気がします。とはいえ、学校の成績でいうと英語は決していいほうではありませんでした。

【三宅】やはり、海外に留学されたときに、苦労して身に付けられたんですか。

【福原】それこそ悪夢でしたね。

【三宅】異国に1人というのは大変です。福原さんは、どのように工夫して話せるように、自分の意見を述べられるようになったのでしょうか。

【福原】当時、東京銀行ではベータ(BETA)テストという英語4技能を測るものを使っていて、それなりの成績がとれていました。日常英語は何とかなるはずなんですが、フランスの欧州経営大学院(INSEAD)に行ったら、ほとんど通用しないわけです。教授の問いに対して、私には答えがわからないのに、みんなガーッと手を上げるんです。私は、日本的教育の影響で「答えは1つ」という思いが異常に強かったので、正解を答えようとして、瞬間にフリーズしてしまいました。

ところが議論を聞いていると、いきなり答えを出しているのではなく、生徒間で、いくつもの解答を出し合い、どんどん議論を積み上げていく。ただそこでも、アメリカ人がしゃべる英語を理解できないんです。同時に、英語が母国語ではない国、例えばインド人とか中国人が話す英語もわからない。