「校長先生」だったジョーンズHC

ジョーンズHCは、ラグビーに対する戦略、戦術眼だけでなく、人を見る目も確かだ。的確に言葉を投げかけて選手たちのモチベーションを上げることもあれば、ここぞというタイミングを見つけて叱ることもある。そんな世界的な名将は、現在55歳。プロフェッショナルなコーチ歴はちょうど20年である。これはあまり知られていない話だが、彼はラグビーに関わりながらも、35歳まではインターナショナルスクールで教師をしており、最後には「校長先生」まで務めている。なぜ、プロコーチになったのか。

「教師はすばらしい仕事です。嫌だったからではなく、変化を求めて違うことをしたいと思ってラグビーのコーチの仕事に就きました」(ジョーンズHC)

烈火のごとく怒鳴ることがあったいっぽうで、チームが勝利すれば、満面の笑みで迎える。

選手一人ひとりのいいところを見つけて、惜しみなく褒める。ジョーンズHCはスマートな戦術家であるいっぽうで、よいモチベーターでもあった。世界的名将のベースには、教師としての経験があったのだ。

10月3日、第3戦のサモア代表戦の平均視聴率は19.3%。瞬間最高視聴率は実に25.2%にも上った。日本中の注目が集まった結果だろう。そして、日本代表は26対5でサモアに快勝。相手に強みを出させることなく、見事な試合運びを見せた。