2016年1月23日(土)

健康な今から「がん」に備えるべき3つのこと

PRESIDENT 2013年6月17日号

鈴木優子=構成 本野克佳=撮影
1
nextpage
がんに罹る、そのショックは計り知れないものだろう。しかし、現実は病人にも容赦ない。病院・治療法の選定、仕事の引き継ぎ、休職期間、治療費……今から備えるべきことを、がん患者会を主宰する松本陽子さんに訊いた。

ネット情報の鵜呑みはとても危険です

あなたが「がん」と診断されたら、まず何をするでしょう。「◯◯がん 治療法 完治」などをキーワードに情報を集めようとするのではないでしょうか。私も14年前にがん告知を受けたとき、同じことをしました。しかし、ネットは情報で溢れかえっています。その情報は玉石混交、鵜呑みにしては大変危険です。

膨大な情報から本当に必要なことを選別するには、見極める力が必要になります。具体的には、情報が科学的根拠を持った情報か否かを選別する力です。しかし、残念なことに高いITリテラシーのある人でも、危うい選択をすることがあります。

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会理事長 松本陽子氏

たとえば、「○○医学博士の末期がんが治った奇跡の治療法!」などと書かれたサイトを見たら、医学博士が勧めるから大丈夫と、思ってしまうかもしれません。しかし、世の中には医学博士は大勢います。その医師は何が専門で、どんな研究を根拠に勧めているのかが問題です。医学博士や有名病院という肩書に振り回されないことです。書籍も同じですが、有名人の闘病記にも要注意です。資金力や環境の違いがあるので、その記述が自分に当てはまるとは限りません。

情報を集めるときに大事なのは、科学的根拠のあるものかどうか、そして自分の状況に合ったものかどうかを見極めることです。

いきなりそこまで情報を精査する力を持った人は、そう多くありません。まして自分ががんになったショックの中、冷静な判断は難しい。だからこそ、元気なうちから力をつけてほしいのです。近道はありません。見て、慣れること。これはがんに限らず、ビジネスのうえでも同様ですよね。取引先を調査し、自分の企業とマッチングするか検討することと変わりないと思います。

PickUp