2016年1月13日(水)

会議室への入室、名刺交換……「商談」マナー体験レッスン

PRESIDENT 2014年5月5日号

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商談やプレゼン、社交など、ビジネスの場で人を不快にさせていないだろうか──。
悩む若手社員の読者がカリスマ指導家のマナー教室に入塾した。

ビジネスマンに「恥をかかないために、正しいマナーを教えてください!」と、依頼されることがあります。私は22年にわたって、マナーの指導を行ってきた経験から、「“自分が恥をかきたくない”という意識でいるかぎり評価されませんよ」と、お伝えしています。

上月マリア氏●日本プロトコール&マナーズ協会理事長。真の国際人の育成にあたる。著書に『どんな場でも、「困った人」にならない気配りの習慣』など多数。

マナーとは、異なる価値観の人同士が円滑に交流できるように生まれたルールです。一番大切にされているのが、相手が何を望んでいるのかを知ろうとする心を持ち、状況に合わせた振る舞いができることです。マナーはつまり、敬意表現。相手を思いやる心がなければ、身につけられないものなのです。

では、ビジネスで評価されるマナーを身につけるには、何に学べばよいのでしょうか。答えは、この日本にもあります。時代は江戸。江戸の町は参勤交代によって、300諸侯と呼ばれる全国の藩からやってきた人々であふれかえっていました。藩によって言葉も習慣も違う人たちがひとつの町に集まり、交流していたのですから、今日の国際社会のような状況だったことは容易に想像できます。文化の違いから起こるトラブルを未然に防ぐよう、江戸の人たちはお互いに譲り合い、思いやる行動をとりはじめたのです。

それが「江戸しぐさ」と呼ばれるもの。例えば、狭い路地で傘がぶつからないように互いに傘を外側に傾けながらすれ違う“傘傾(かさかし)げ”などがあります。その相手を思いやる精神性と振る舞いは現代の国際儀礼にも通じるものがあります。

国際的なマナーを知ると同時に、日本人が連綿と受け継いできた文化やアイデンティティを心得てこそ、新入社員から課長、役員の方まで使える「本当のマナー」を身につけられるものだと思います。

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