――うちはがん家系なんです。がん保険に入ったほうがいいですよね。

あまり心配しすぎないほうがいいですよ。「病は気から」という言葉もあります。多くの医者も脳と身体は連動していると言っています。

――2人に1人ががんにかかると聞きました。がん保険ってどんな保険ですか。

がん保険で多いのは、がんと診断されたときに、一時金として診断給付金が支払われるタイプです。

がん治療で髪の毛が抜けることがあります。そうするとウィッグも必要になる。いいウィッグだと数十万円もするそうです。

――ウィッグのことは考えなかったです。診断給付金は、要するに何にでも使えるお金ということですか。

そうです。100万円など、まとまったお金がもらえる。大切なポイントの1つは、一時金が何回支払われるかという点です。1回きりのもの、再発や転移で何回ももらえるような保険もあります。

――出口さんとしては、どのような保険がおすすめですか?

がんは再発しやすい病気であることを考えると、何回か一時金がもらえるような保険がいいと思います。さらに言えば、必ずしもがんで死ぬとは限らないので、普通の医療保険とパッケージになった保険がいいと思います。

――「がんだけ」ではなく、「がんもカバーしてくれる医療保険」ですか。

そうです。がんになると思ってがん保険に入って、脳梗塞で入院することもあるかもしれません。

――でも保険料が高くなりませんか? がん保険のほうが安いでしょう。

ここに病院があります。100人の入院患者がいます。ベッドには骨折の人も、妊娠の人もいます。がん患者は、多めにみて10人としましょう。普通の医療保険が100円だったら、がん保険は10円ということです。

――そうすると、仮に医療保険の毎月の掛け金が1000円として、がん保険が500円としたら、高いということになりますね。一時金とかは多めに出ますが。

冷静に考えるとそうなります。高い部分は会社の運営経費だと。

――運営経費、ですか。

そうです。保険料は、将来、そのすべてが保険金などの支払いに使われるわけではありません。保険会社も、販売員を雇ったり、オフィスや店舗を確保するお金が必要ですから、それは当然のことですね。でも、その割合が高い会社もあれば、低い会社もあります。

――保険はよく調べて自分自身でどれがよいかよく考えて入ったほうがよいものなんですね……。

Answer:一時金が何回支払われるかがポイントです

出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長などを経て2013年より現職。経済界屈指の読書家。