テキストメッセージやチャット形式の設問も

では、何が変わったのだろうか。エヴァソン氏によれば、今日のグローバルなビジネスシーンにおいて実際に使われている英語のやりとりを、意識的に新しい出題形式として取り入れた点が大きな特徴だという。

例えば、リスニングセクションでは、従来は2人によるトークであった会話問題に、複数(3人以上)の人々が参加するトークを追加。より実際的なコミュニケーションの中で、話し手が暗示している意図を問う設問や、図やグラフなど、問題用紙に印刷された視覚素材と流れてくる会話の情報を関連づけて解答する設問が加わる。

また、リーディングセクションでは、近年、頻繁に利用されるようになったテキストメッセージやオンラインチャットで、複数名がやりとりを行う設問も登場した。さらに3つの関連する文書を読んで設問に答える問題なども、新たに採用。いずれも単なる設問形式の変更にとどまらず、文脈の全体像をつかみ、文書の書き手が伝えようとしている意図をきちんと理解できているかを問う設問が追加されている点も見逃せない。


新形式の問題はこちら http://www.toeic.or.jp/info/2015/i025.html

4技能をバランスよく学び、英語力を高める

聞く力と読む力を測定するTOEICテストの場合、そのスコアがどんなに高くても、実際のコミュニケーションの場面で英語が話せるとは限らないという、ユーザーからの声も聞かれる。この点についてエヴァソン氏に水を向けると、にこやかな笑顔とともに教育者らしい言葉が返ってきた。

「英語によるコミュニケーション上達のカギは、一にも二にも英語を実際に話し、使うこと。ただスコアを上げるためのテスト対策に腐心するのではなく、日々の生活の中で幅広く英語にふれ、実際にどんどん使ってみることが大事です。英語による真の対話力を身につけることが、結果的にTOEICスコアが上がることにつながります」

ちなみにIIBCは、2007年から、グローバルビジネスパーソンに求められる、英語で話す力と書く力を測定するための、TOEIC Speaking & Writing(S&W) も実施している。その開発機関も、もちろんETSだ。

「ビジネスで実際に会話をしたり、文書をやりとりする場合に、どれだけ意思の疎通が図れるかを測定するためにTOEIC S&Wを開発しました。真の英語コミュニケーション能力とは、英語の4技能である聞く・読むというインプットスキルと、話す・書くというアウトプットスキルとが、バランスよく身についていることに他なりませんからね」と、エヴァソン氏。

テスト開発者として教育に対する確かなポリシーのもと、スコアの一貫性を厳格に守りつつ、時代に即した問題構成になるよう変更されたTOEICテスト。ビジネスシーンにおける英語コミュニケーション能力を公平かつ妥当に測定するための“信頼性の高いモノサシ”として、TOEICテストはますますニーズが高まりそうだ。

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