2015年12月21日(月)

中国人の「爆買い」は一体いつまで続くのか?

「爆買い」後のゆくえ【後編】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
中島 恵 なかじま・けい
ジャーナリスト

中島 恵1967年、山梨県生まれ。90年、拓殖大学外国語学部中国語学科卒業後、日刊工業新聞社入社、国際部、流通サービス部などで記者として活躍する。94年に同社退社、香港中文大学に留学、北京語と広東語を学ぶ。96年に帰国後、フリージャーナリストに。著書に『職は中国にあり』『ポジャギ』『中国人エリートは日本人をこう見る」、『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』(中央公論新社)などがある。

執筆記事一覧

中島 恵=文
1
nextpage

今、中国人観光客を迎え入れる日本人が最も気にしていること、それは「爆買い」はまだ続くのか? あるいは一過性のもので、2015年限りで終わってしまうのだろうか? という点だ。

「ユーキャン 新語・流行語大賞」を受賞すると、芸人は“一発屋”で終わってしまうというジンクスがあるが、そんな冗談はさておき、結論をいえば、私の考えでは「爆買い」は2016年以降も、まだしばらく続くと思う。

その理由は本書『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?』の中で詳しく説明したが、ひと言でいえば、中国人にとって日本はまだ魅力的な観光地であり、中国では買えないもの、味わえないことがたくさんあるから、である。

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?――中国人のホンネ、日本人のとまどい』(中島 恵著・プレジデント社)

ひとたび「豊かな暮らし」へとかじを切った中国人の気持ちは止められず、この流れはまだ当分続いていくと考えてよい。

だから、「爆買い」はまだ続く――。

ただし、この結論は条件つき、である。実は、従来通りの「爆買い」はそう長くは続かないのでは、と私は思っている。従来通り、とは「同じ商品を何十個も買う」「ありきたりの観光地を団体で巡る」という意味である。

「爆買い」ブームの先駆けとなった人々は、すでに5泊6日のゴールデンルート(東京―富士山、名古屋、京都、大阪)を巡る一般的な旅に飽き飽きし始めているからで、日本人よりもはるかに早いスピードで生きている中国人の「爆買いの中身」は、今後変わっていくことが予想される。

観光施設や関係者に話を聞くと、その兆候が出てきているし、中国人に話を聞いても、彼らの旅行の目的や楽しみ方は刻一刻と変化している。行き先や食べるもの、興味の幅が驚くほど広がってきており、「えっ、なんでこんなところにまで?」と思うほど出没しているのである。

日本で直接「爆買い」に関わる人々は、いち早く彼らのこの動きを察知し、その背景を探り戦略を練る必要があるし、もっと中国人の考え方を知るべきだろう。

PickUp