自己資金ゼロ、開業ローンを20年以内に返済!

では、お金持ちイメージが強い開業医はいかがか。東京など大都市の地価が高い地域ほど、診療所はすでに供給過剰気味だが、郊外や地方ではまだ開業の余地はある。

開業パターンは大きく2つ。駅近くのビルを借りて診療所を開く“ビル診”と、郊外で戸建ての診療所を開くやり方だ。前者の開業資金の目安は5000万円、後者は1億5000万円。でも、前述のように勤務医の多くはリッチじゃない。自己資金ゼロのケースもよくあり、金融機関の開業ローンを組んで、20年以内の返済に励む。

「大きく稼ごうという医師は滅多にいません。開業動機は、やりたい医療ができるから、と言う方が多いですね。経営者になるのだから、看護師をはじめとした被雇用者との間のコミュニケーションとマネジメントが大事。そこを普通にこなせて、立地さえ間違えなければ、親が医師でなくても、クリニック経営は可能だと思いますよ」

うまく経営がまわれば、開業5~10年で自分の給料として年収3000万~5000万円は可能だという。看護師との衝突問題を抱えているクリニックも少なくないが、高確率でこれだけの高収入が期待できる独立開業は他職にない。弁護士も厳しい時代、医師は最後のゴールドライセンスだ。

勤務医時代の私生活のバランスさえ崩さなければ、やりがいは十分あり、研究職など一部を除き高収入で、働き方の選択肢も多様な医師という職業。近年、大学受験界で医学部人気が沸騰しているのも、必然的だといえよう。

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