大企業では社内政治――「何を知っているかではなく誰を知っているか」症候群――がはびこっているため、うまく立ち回る人が優遇され、多くの人が息苦しい思いをしているのではないでしょうか。(イギリス、エセックス州在住 ピーター・シャープ)


 

社内政治がなくなることはないでしょうが、大企業でそれが「はびこっている」と考えるのはばかげています。世界中の多くの企業――成功している企業――が、来る日も来る日もそれをなくすためにできるかぎりの努力をしています。実際、死に物狂いでなくそうとしているのです。

なぜでしょう。

それは、考える頭のあるマネジャーは、「うまく立ち回る」人間ではなく、優れた成果をあげる人間の意見が尊重され、そうした人間が昇進することで、会社が成功することを知っているからです。

マイクロソフトは、幹部のなかに間抜けなゴマすりが大勢いたから世界最強のコンピュータ会社になったわけではありませんよね。プロクター&ギャンブルは、頭が空っぽのおべっか使いを昇進させたからイノベーションに対するアプローチを活性化できたわけではありませんよね。わかりきったことです。

これらの企業は、またこれらの企業と同じような何千もの企業は、実力主義をとっているがゆえに成果をあげているのです。誰が先週、上司と酒を飲んだか、ということよりも、頭を使って額に汗することが重視される会社だからです。

私たちの経験では、社内政治に熱心なのは主として次の3つのタイプの社員です。

まず、上司を嫌っている社員。どんな組織にもいる、四六時中不平を言っている人間、権威に対して生まれつき拒否反応を持っている人間です。それは彼らの体質の一部なのです。彼らは職場で毎日「宮殿の陰謀」を探しており、その活動の一環として、何のとりえもない無能な人間が「コネ」のおかげで昇進した、などと言いふらしたりするのです。

2つ目のタイプはパフォーマンスの低い社員です。彼らは自分の欠点の言い逃れをするために、社内政治を利用するのです。自分こそ昇進してしかるべきだったのに、メアリーがそのポストに就いた。彼女は上司の弟と同級生だったからだ、ともっともらしく言うわけです。

3つ目のタイプは、能力を十分活用されていない社員、退屈している社員です。格言にあるように「小人閑居して不善をなす」わけです。

社内政治を支えているのがどのような社員かを考えると、影響を受けるのはたいていだめな会社であることがよくわかります。

優れた会社は、これらのタイプの問題社員を排除したり、まともなコースに戻したりするために熱心に常に努力しています。努力すれば100%成功するというわけではありませんが、優れた会社はその努力をけっしてやめないのです。