2016年1月2日(土)

ラグビー日本代表「打倒・南アフリカの1500日」

歴史的勝利は、周到で猛烈な準備から生まれた

PRESIDENT 2015年12月14日号

嶺 竜一=構成 松本昇大=撮影
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前回W杯敗退後、日本代表の組織改革を託された岩渕健輔氏。勝利を義務付けられた彼が南ア戦に仕掛けた方策とは──

勝つことに徹底レフリー対策まで

──イングランドW杯での南アフリカへの勝利を含む3勝という結果を率直にどう評価されていますか。

昨年秋にベスト8に修正しましたが、エディー・ジョーンズヘッドコーチと私がGMの新体制でスタートした約4年前、2015年大会の目標はトップ10でした。しかし、周囲もファンもそれは無理だと思った。なぜならそれまでのW杯7大会で、日本は1勝しかしていないからです。

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日本代表W杯の歴史

そこで、エディーと私は、「日本が世界で勝てない原因は何か。原因を究明し、真摯に受け止め、できるすべての準備をしよう」と話し合いました。

代表合宿を増やし、選手のフィジカルを鍛え抜きました。本番に向けてはレフリー対策が大きかった。ラグビーはレフリーとの相性が勝敗を大きく左右するスポーツです。南アフリカ戦の主審となるジェローム・ガルセス氏を今年8月に日本に呼び、日本代表の試合で笛を吹いてもらいました。そこで選手は世界レベルのジャッジを学ぶとともに、レフリーとコミュニケーションを取ることができた。それが今回の勝利に繋がったことは間違いありません。一方、スコットランド戦のレフリーは呼ぶことが叶わなかった。

また日本代表は今年4月、開催国のイングランドに全員で視察に行きました。資金がいるため協会でも議論になりましたが、押し切りました。「日本の選手は初めての環境ではいいパフォーマンスが出せない」という結論が出ていたからです。さらにW杯直前には、試合予定のスタジアムでテストマッチもしています。

細かな準備を4年間、一つひとつ遂行してきた。その成果として今回の3勝があったと思っています。

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