2016年1月8日(金)

あらゆる悩みは“数字”で解決できる

茂木 健一郎:世界一の発想法

PRESIDENT 2015年3月30日号

著者
茂木 健一郎 もぎ・けんいちろう
脳科学者

茂木 健一郎1962年、東京都生まれ。東京大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学博士専攻博士課程修了。理学博士。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)のほか、著書多数。

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茂木 健一郎 写真=PIXTA
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世界は数字でできている。これは、間違いのないところである。

現代の文明を支えている様々な技術。その背後には、物理学の法則がある。その法則は、すべて数式で書ける。

素粒子から私たちの体、宇宙まで、あらゆる物質を支配しているのは、数字なのだ。

物理学の法則というと、一見、日常からは遠いように感じるかもしれない。しかし、自分の人生の様々な側面を、「数字」の視点で分析してみると、曖昧にしていたことが明らかになり、課題が見えてくる。

たとえば、高校生や大学生と話していて、「英語ができない」と相談されたときには、まず1分間、即興でスピーチをしてもらう。苦労しながらも、なんとかこなしたのを「偉いな!」と褒めたあとで、こんな質問をすることにしている。

「君さ、これまでの人生で、今みたいに、即興で英語をしゃべったのって、トータルで何分くらいだと思う?」
「えーと、授業を含めて、せいぜい1時間くらいだと思います」
「それじゃあ、英語話せないの、あたりまえじゃないか! 日本語だったら、1日1時間として15年しゃべっていれば、これまで約5500時間は、即興で話す練習をしていることになるぞ!」

そう言うと、「あっ、そうか」と納得してもらえる。「英語がしゃべれない」ということを、まるで宿命のように感じて暗い顔をしている学生にも、数字で説明すると、問題点を理解してもらえるのである。

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