トラブルにならない「事後措置」とは?

ストレスチェック制度は企業にとってもメリットが大きい。検査実施にはコストがかかるが、高ストレス状態の社員がうつ病で仕事を休むようになれば、より大きな損失になる。いまのところ実施しなくても罰則はないが、問題が悪化する前に実施したほうが無難だ。

企業が注意したいのは、高ストレス社員への措置だ。よかれと思ってしたことが、不利益な取り扱いと受け取られ、トラブルになるおそれがある。

「トラブルを避けるには、配置転換などの措置を行う前に本人の意向を確認して、それを記録に残しておくことが大切です。また、措置をして終わりという姿勢もダメ。配転後にストレスから解放されて、翌年のチェックでいい結果が出るかもしれません。そのとき必ずしも元の職場に戻す義務はありませんが、本人が希望しているのに何も対応しないのも問題です。社員からの信頼を勝ち取って制度を理想的に機能させるには、アフターケアまで心を配る必要があるでしょう」

(図版作成=大橋昭一)
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