2015年12月11日(金)

復活なるか、新たな「前へ」の明大ラグビー

スポーツ・インテリジェンス【第40回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文
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見えた「復活の兆し」

確かに王者帝京大を倒さないうちに、『明大復活』と書くのは早すぎる。でも、その兆しは見えた。先のラグビーの早明戦(32-24)で勝ったからだけでなく、新たなメイジらしいスタイルがあったからである。

何かといえば、FWの押しとバックスの展開力で『前へ』攻めるという意思統一だった。もっとも、チームの成長が見えたのは、ラスト10分間の自陣ゴール前のディフェンスだった。早大の再三のモール攻撃にも耐え、ゴールラインを割らせなかった。

ひとり一人の堅実なタックルとふたり目の寄り、倒れてはすぐに起き上がるひたむきさと連携があった。これはスタミナなどのフィットネスとディシプリン(規律)がないとなかなかできない。「残り4、5分のところで、(トライを)とられなかったのが大きかった」と明大の丹羽政彦監督は満足そうだった。

「今までのメイジなら、たぶん、最後は1本、(トライを)とられていた。ゴールも決められて1点差。ばたばたしながら、ノーサイドになっていたと思います。あそこ(ゴール前)を抑えた。この試合でまた、チームは成長したと思います」

ゴール前のディフェンスだけでなく、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)も激しかった。FWの耳をよく見れば、つぶれて“ギョウザ耳”となっている。その点に触れると、丹羽監督はうれしそうだった。

「ええ。(ブレイクダウンの練習で耳がすれて)ギョウザができる人間が増えているんです」

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