多様な学び方があっていいが……

【三宅】全外協は、各種の取り組みをしてきましたが、こうした社会貢献は大変重要ですね。

【桜林】東京都さんが相談に来てくれたので「じゃあ、一緒にやりましょう」ということになりました。私どものような業界団体があれば相談しやすいでしょうし、加盟校の社会貢献としてもいいことではないでしょうか。

三宅義和・イーオン社長。

【三宅】最近ではインターネット電話のスカイプを利用したオンライン英会話スクールとか、スマホの教材アプリに人気があるわけですが、それなりのリスクもあります。突然、そのサイトが閉鎖されてしまう。また、知らないうちに課金されているといったこともあるようです。こうした学習形態に、全外協としてどう対処していくのか教えてください。

【桜林】私どもは、基本的には教室を持ってない学校は加盟できません。例えば加盟校が、スカイプやアプリも使い、正規授業の補完をするのはいいと思います。しかし、指摘されたように、スカイプだけで、外国人留学生が簡単に日本語会話のレッスンを受けるということもありますが、途中で急に消えてしまったというケースが消費者センターに報告されました。そうなったら、何の補償もありませんからね。しかも、会話力が上がっているかどうかの管理やフォローができているかどうかもわかりません。そうした仕組みがないと生徒さんがかわいそうです。正直、私どももどうしたらいいか迷っているところなんですけど、三宅社長はどう思いますか?

【三宅】もちろん、多様な学び方があっていいと思います。けれども基本的には教室のある英語学校に通って、講師や受講生と顔を合わせて、楽しく英語を身につけることが大切です。

【桜林】やっぱりそれが大事だと思うんですよね。結局、アイコンタクトしたり、ジェスチャーしたりですね、あらゆるコミュニケーション手段を使って会話をしていく。スカイプの画面だけでは不十分です。レストランや喫茶店でレッスンをするという形式も同様だと思います。

【三宅】全外協の加盟校は、教室を持っていて、きちんとしたカリキュラムがあって、出欠管理、あるいは上達具合の把握もきちんとなされています。

【桜林】だからその入会基準は守るべきというのが、協会としての考えですし、これはしばらく変えられないと思います。とはいえ、これだけIT環境の進化した時代ですから、もう少し様子を見ながら、入会基準も再考していくべきかもしれません。いつまでも今のままでいいとは考えていません。