成功した経営者と、安月給に悩む会社員の格差は雑談にもあらわれた! 超金持ちと超ビンボー、嗚呼、世の中は世知辛い……。

酒席は人間の本性が現れ、会話が弾む空間でもある。昼間は隠せていても、華やぐ夜の世界では、つい本音が出てしまいそうだが、高収入の人はどんな会話をしているのか。社長と酒席をともにする機会が多い國貞氏が話す。

「酒を飲む場では仕事の話は一切しません。ビジネスの話や難しい話をすると嫌われます。基本はバカ話。こうした話についてこられるか、ノリがいいか悪いかで相手を見ています。この前銀座のクラブで一緒に飲んだ上場企業の社長は、『女性がブラジャーを洗濯した後、どこに引っかけて干してるんだろうか』と、本当にくだらない話で盛り上がっていました。昼間の仕事の緊張を解き、気持ちをリラックスさせる意味もあるのでしょう」

日本で最も客単価が高いクラブが軒を連ねる東京・銀座8丁目に店を構える「ルナ ピエーナ」のママで、『いつ、誰が相手でも必ず盛り上がる銀座の雑談手帳』の著書がある日高利美氏も「仕事の話はしないのが粋です」と言ってこう話す。

「クラブでVIPルームなど個室の席をご利用にならなければ、隣に座る方がどういうお仕事の方かわかりませんから、仕事の話や会社名、個人名などを大きな声でおっしゃらない方はさすがだなと思います。ちょこっと聞き耳を立てたときに、ほかのお客さんも自分と関係のある言葉や名前などが聞こえると、つい反応しちゃいますからね。クラブに来られるときは、その前のお食事のところでお仕事の話は済ませてくるといいのではないでしょうか」

仕事がらみの話をする場合でも、その席に関係ない人がいるのなら、「少しだけごめんね」とひと言添えれば、「少し席を離れていましょうか」と言えるし、どういう対応をしたらいいのか提案することもできるという。そして、仕事のできる客は会話の中でネガティブな言葉をポジティブに言い換える言語感覚に長けているという。

「『忙しそうだね』と言うときも、『人から必要とされてるんだね』とか、落ち着きがないのを見て『いつも元気だね』とか、言葉をポジティブな言い回しにするのが上手ですよね。会話の途中からそこのグループの中にいきなり入ったときでも、会話に参加しやすいように、『今、こんな話をしてたんだよ』と優しく説明してくれます。例えば『映画の話をしてたんだけど、◯◯ちゃんはどんな映画最近観た?』とか前振りをしてくださり、みんなで雑談を楽しもうという余裕がすごく感じられます」(利美ママ)