【Q】発音しないと上達しないと言われるが、人前で英語を話すのが恥ずかしい

【A】こういう人は、日本語で話すのも苦手なのでしょう。たとえば人前で自己紹介したり、会議で発言するのも恥ずかしいとか。人前で話すこと自体が苦手だという人が、英語を話すときだけ人格が変わったように饒舌になるなんてことは絶対にありません。

そもそも人前で話すのは、非常に苦痛なことなのです。欧米で、これを証明する面白い研究がありました。ストレスを感じるものは何かという問いに対し、「死」を抜いて「スピーチ」が1位。日本人から見たらあんなに自己主張が強くておしゃべりな欧米人でさえ、「スピーチをするくらいなら死んだほうがましだ」とまで思っているのです。ましてや日本人が英語で話すなんて、苦痛なのが当たり前です。

これをどうにかするには、慣れしかありません。話すということは結局コミュニケーションですから、こればかりは「畳の上の水練」では意味がない。実際に誰かと話すしかないのです。お勧めは外国人が集まるパブなどに行くこと。僕もよく行くのですが、酔っていると、外国人とも気軽に話ができます。この際、酒の力を借りましょう。(内藤さん)

【Q】日本人の前で英語を話すのはもっと恥ずかしい

【A】地方出身者の人なら、この気持ちがよくわかるはずです。東京で同郷の友人と会ったときに、隣に東京の友人もいたとしたら、方言で話すのは恥ずかしいですよね。日本人の前で英語を話すのは、これに近い。日本人同士で日本語ではなくあえて英語で話す、つまり普段とは違う話し方をすることへの違和感が、恥ずかしさに繋がるのです。これは自然なことなので、恥ずかしいのは当たり前と開き直りましょう。「いちいち照れて情けない」などと自分を責めてはいけません。(内藤さん)

【Q】なかなか上達しないので、モチベーションが維持できない

【A】目標を高く設定しすぎていませんか。人間はいつの間にか欲が出て、目標を無意識に上げていることがあります。初めは日常会話でいいと思っていたのに、上達するにつれてネーティブと英語で議論することが目標になっていたりするものです。まずは目標をうんと低く設定し、達成感を何度も味わうことでモチベーションを保ってください。これが「スモールステップの原理」です。

中年が英語を勉強するのは、「会社からTOEIC800点取れと言われた」というように、目的がはっきりしている場合がほとんど。それなのに自分で勝手に勉強の範囲を広げているケースも目立ちます。お医者さんと同じで、自分の専門分野だけ守っていればいいのです。(内藤さん)