2015年12月4日(金)

「生ハム」を知る、3つのキーワード

dancyu 2013年12月号

文・山村光春 撮影・吉澤健太
生ハムの盛り合わせくださーい。お店で注文するときにそれがどこ産で、なんという名前か意識していますか? スーパーでパック詰めを買うときにその原料がどんな豚で、何カ月熟成か表示をよく見ていますか? 家でどうやって食べようか、料理しようかと悩んだことがありますか?

ああ、不憫な生ハム。豚のもも肉を塩漬け、熟成してつくられる生ハム。こんなに身近になったのに、実態はあまり知られていない。プロシュートとハモンの違いを答えられる人は、どれだけいるだろうか。

プロシュートとは、イタリアでつくられる加工食肉の総称で、生ハムのこともこう呼ぶ。生産量の半分以上はエミリア=ロマーニャ州パルマ産で、ローマ帝国時代からの伝統がある。

一方、ハモンはスペイン産の生ハムのこと。一世を風靡したハモン・イベリコは、イベリコ種という古来種の黒豚でつくったもので、生産量はスペイン全体のわずか1割弱。あとは白豚のハモン・セラーノとなる。

では産地以外での両者の違いは何か。一般的に、ハモンは皮を剥いで、脂の状態で塩漬けにする。水分が抜けやすく塩の入りがいい。ゆえに身が締まって凝縮感があり、融点が低く口溶けのいいものに。プロシュートは皮付きのまま塩漬けにする。繊細でしっとり、甘味のあるハムに仕上がる。キャッチフレーズをつけるならさしずめプロシュートはエレガント。ハモンはプリミティブといったところか。

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山村 光春