【田原】儲けるために、これから何をしましょうか。

【川上】1つはゲーム事業です。KADOKAWAが持っているのは紙のメディアなので、こんどはKADOKAWAとドワンゴで組んでネットのゲームメディアをつくります。それと教育事業。今年7月に通信制の高校を沖縄につくることを発表しました。

【田原】通信制の高校? それで儲かりますか。

【川上】教育はこれから変わります。先生が40人ぐらいの生徒を前に授業する形態は効率が悪くて、これからはコンピュータを使って、ネットで一緒に勉強するというスタイルになっていく。これは世界的に起きていて、たぶんそこには大きなビジネスチャンスがあるだろうと。

【田原】ネットで教育が変わるのはわかります。いまは有名大学の講義をネットで無料で受けられる時代だ。

【川上】ただ、いま起きている価格破壊じゃダメです。インターネットの普及後は情報がタダになってきて結局どこも儲からなくなったのと同じように、授業を無料で流すというやり方では未来がない。そうじゃなくて、きちんとお金を儲ける仕組みを最初につくったところが勝ちます。

【田原】それが通信制高校ということですか。いまも通信制高校はたくさんあるけど、それじゃダメですか。

【川上】通信制高校に入る人の多くは、普通の学校で落ちこぼれて不登校になり、心配した親や先生に「せめて通信制高校ぐらい行きなさい」って言われていやいや入っています。だからみんな、通信制高校に行っている自分に誇りを持てません。それに、みんな勉強したいわけじゃなくて友達が欲しいだけなのに、いまの通信制高校はそれを提供できていない。僕らが沖縄につくるのは、校舎にいる時間を楽しんでほしいから。通信制高校はスクーリングといって1週間はリアルな授業を受けなくてはいけないのですが、どうせ行くなら、沖縄のほうがいいでしょ。

【田原】おもしろい。ほかにも仕掛けはありますか。

【川上】いろいろトリックを用意していますが、まだ秘密です。通信制高校は、認可が下りれば来年の4月からやります。これから順番にわかると思うので、見ててください。