無駄な時間とは、考える必要のないことを考える時間。

「ああしようか、こうすべきか」と考えている時間は、まさに無駄な時間です。そんなことを考える前に行動するのです。もし、ミスや失敗をしたとしても、そこから学び、経験を積むほうが、どんな場面にもすぐに対応できるスキルが身につきます。

これを繰り返すことにより、経験値が上がり、時間をかけなくても同じ成果を出すことができるようになる。つまり、考えないで行動することが、いつしか考えなくても、正しい行動ができるビジネスパーソンをつくるのです。

【Q】午前中はメールのチェックと返信だけで終わってしまう。

ビジネスのうえでメールの返信は早ければ早いに越したことはありません。仕事を迅速に進めるためにも「即レス」は基本です。そうは言っても朝一番、届いている数十件の未読メールを前に気分が滅入る人も多いでしょう。

これは空手の百人組手だと考えると気が楽です。つまり、百人の敵に囲まれて、誰から倒そうかと考えると大変ですが、百人の敵が縦一列に並んでいるだけだと考えれば、その瞬間に戦う相手は1人だけ。臆することはありません。

早く返信するコツは全部のメールに目を通して、優先順位を考えるのではなく、上から順番に読みながら返すこと。一度目を通したメールを、返信する際にもう一度読むのですから時間の無駄です。まず返信不要なものはフォルダに移動し、返信が必要なメールにはその場でどんどん返信します。

もちろん、すべてその場で解決できるメールばかりではないでしょう。その場合でも「確認したうえで、改めてメールします」のように、何らかの返信をしておくと相手も安心します。なかなか実行できない人は、荒療治ですが、メールを読む前に返信ボタンを押してしまいましょう。そして内容はその返信メールの中で読むという習慣をつける。こうすることでどんどんメールの返信が早くなります。

最後に、メールは非常に便利なツールですが、万能ではありません。急ぎの案件やメールのやりとりで進展がない場合は迷わず電話をかけましょう。留守番電話になったとしても、相手にもその重要性や緊急性が伝わります。さらに複雑な内容や気持ちを伝えたいとき、確実に相手に伝えたい内容に関してはメールと電話の合わせ技が有効です。まず、メールで詳しい内容や資料などを送ってから電話をかけましょう。直接話すと声のトーンや雰囲気で、文字だけでは伝えきれない気持ちやニュアンスが伝わり、互いの理解が深まります。

豊田圭一
1969年、埼玉県生まれ。上智大学経済学部卒業。建設会社を経て、海外教育コンサルティング事業の起業に参画。その後、複数の起業を経て、現在、スパイスアップ・ジャパン代表取締役としてグローバル人材育成に携わる。著書に『とにかくすぐやる人の考え方・仕事のやり方』『とにかくすぐやる人の仕事の習慣』ほか。
(永浜敬子=構成 PIXTA=写真)
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